LOVE WARS
□DAY 2.5 恋する乙女は最終兵器彼女。
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お人形さんの様に、木製の椅子にちょこんと座らせられて、勿論手は膝の上。
ここは、今話題のスイーツのお店。
「お茶しに行きましょうね。お嬢さん。場所を変えるわね。」
と、これも訓練なので仕方ない…。
先にセッティングされた店に進み、エドワードはゲストを待ち、帽子のままは失礼なので、ちゃんとボンネも外して、相手を待った。
「おおぉ〜 スゲーっ」
周りから一斉に上がる声。
「凄い化けっぷり。」
背筋もちゃんと伸ばして動けば、本当にお嬢さんである。
そこに何も知らずに連れられ来たのは…。
「やっべ…大佐…。」
コイツを騙せたら合格らしい…。
絶対にばれる…。思わず顔を背ける。
「やぁ、初めましてお嬢さん、部下に誘われてティータイムにお邪魔させて頂くことになりました。ロイマスタングです。お見知りおきを…。」
コイツ今更ながらこんなにもキザ野郎…。あぁアメストリス中の女達がおちるはずだ…。最強の営業用スマイル。
「初めまして、エルリアです。」
負けずに愛想をふった。
ウエイトレスを呼び、ミルクレープとミルクティーを注文する。
手袋…。やばいっ。
が、そのまま行けと手で合図が入る。
勿論目の前の殿方(大佐)がセッティングを始めた。
静々とミルクティーとミルクレープが運ばれて来て、ダージリンの香りが鼻をかすめる。
「お砂糖は?甘い方がお好きかな?」
「はい。」
と小さく頷く。
そしてとびきりの笑顔も忘れずに。
ロイは、オレから目を離さない、ばれたか?
そして約束の時間、突然大佐がチラリと時計を確認し始める。
「どうかなされましたか?」
「いや、こんなにも綺麗なお嬢さんが居る前で失礼ですね。
もう一人のゲストが到達する筈何だが…。どうしたんだろ…鋼の…。うん…。
失礼…。」
相変わらず右斜め前からいるリザ中尉から演技指導が入る。
『エルリアちゃん、笑って笑って…。』
「その方、困った方ですね、貴方の様な素敵な方との約束に遅れるなんて…」
「失礼、お嬢さん…。」
後方と変装したみんなの、顔がまんべんな笑顔になる。大成功!!。
「アンタまだ気がついてないの?マジで。」
「えっ?」
「あの…オレ…だけれど…」
「えっ?」
「まんまと騙されんなよ!大佐。」
珍しくロイの顔が固まった瞬間であった。