For your LOVE
□ビターショコラ。
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だいぶ前のお話。
オレはまだ旅に出ていて、大佐の目がちゃんと両方あった時の事。
こんなベッドに寝かされたまま、どうやって渡せと言うんだ、
なのに…アイツに渡したいもんは、ちょっと動けば取れるんだけど、監視が厳しくてな…。
そう、アイツが、“監視”している。怖い怖い…。
仕方ないんだけどな
言い訳出来ないし…かなり我が儘こいたみたいだし。
そう、ビョーインには行きたくないって…、薬も治療も拒否って、アイツ等の腕からも逃げて、仕方ないじゃん、行きたくなかったんだけど…。
だってさバレンタインだったんだ…
何時も世話になってるし、年に一度位喜ばしたかったし、それにずっと出たまんま
だったから報告書渡さないと機嫌悪くなるし…。
なのにだな…。
ちょっとその日は運が悪くて…。
寒暖の差が激しくてセントラルに着いた時から何だか調子悪くなってきて。
一暴れもしたけど…。
着いた瞬間にこれだよ…。
気が抜けて、あれって思った瞬間には…、
たまたまお茶をいれに出ていた、中尉に見つけられて…大丈夫です。って言ったものの、身体も怠くなってきて。大丈夫な訳ないよな。
そうなれば、一斉にみんなが出て来て。
何か大騒ぎされて、それが嫌で…嫌で…仕方なくって。
大袈裟にされたくないのに…。それで暴れた離してくれると思って…。
大佐の真剣な眼差しが飛び
「鋼の、どうした?」
暴れてみても…
「やだ、離せばか!!」
大佐は真剣な眼差しのまま。
「どうしたんだ?」
リザ中尉もオレをがっしりと掴み。
「エドワード君!!」
ハボック少尉にまで…。
「大将!!」
オレは反逆して暴れてみるが、段々と力が入らなくなって…。
「嫌だ!離せって!!」
突然背中に走る悪寒に…降参したが、それでも嫌で…嫌で…。
「直ぐに軍医呼んで!!」
「嫌だ!病院医者嫌だ…離せよ…。」
「どうした鋼の、診てもらうだけじゃないか。」
「中尉そこ空けて。」
肩を抑えられて、腰も足も抑えられたら、もう動けない。
成すがままにされて診察を受ければ、胸元の大きな打撲傷に目が行く。
「怪我していたのか?」
「見るな…これくらい大丈夫だから…今までだって…」
肩には擦過症の跡、リザはそれが何の傷か察知した。
「痛い…痛い触んないで…止めてってば…。痛いよ…」