For your LOVE
□指ぱっちん御礼6
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〜ロイ編〜
触るなと…私の手を拒むロイ坊…。
ほっとくわけにはいかないので、遠くから私はグラスを傾けて様子を伺った。
早くに母親を亡くし、それ以降私が見させてもらってる。
今頃になって出て来たのか、ずっと体調がすぐれない。
ぎゅっと目をつむり、耐えているようだった。
人を寄せつけようとしないない何かを放ち、拒絶する。
とは言っても、やらなきゃいけない事はやらないといけない。
「ゲホッ…ゲホッ… 」
背中を撫で息をととのえやすくなるように、手を貸すが、一番は掃われる。
それでも私は、ロイ坊の背中に手をあて続け、身体を起こして座らせ、私の肩に頭を置き背中を軽く叩いては撫でた。
やがて、出すものをだせば楽になったのか、口を濯がせて、白湯を飲ませる。
汗をたっぷり吸い込んだパジャマも着替えさせて、横たえてやる。
ロイ坊の事は、店の女の子も一緒になって見てくれてた。
店を開ける前の事、着替えを済ませた店のコが足早に階段を降りてきた。
「ねぇ〜マダム〜坊や熱あるよ〜!。震えてる!」
部屋を覗けば、顔を真っ赤にして、ロイ坊が苦しげに息をしていた。
「お医者様を呼んできてくれるかい?」
「わかったわ、マダム〜。」
しんどいとも言いもしない、甘えもしない、頼りもしない…。
「患者は?」
「先生、こっち〜二階よ〜」
お医者様は、脈を取り、胸の音を聞き、瞼や、口の中を診ていく、首筋に触れ、身体の異常箇所を探りあててゆく、
「直ぐに入院させましょう。」
突然、バタバタと、部屋に足音が鳴り響きだした。
私は、女の子達に店を任せ、バーテンの男の子に連絡をして車を出してくれないかと頼み、ロイ坊を毛布に包んで待っていると、その子がロイ坊を横抱きにして運んでくれた。
「寒い…」
何も言わない、ロイ坊が珍しく訴えた…。
「寒い…よ…」
私のショールをかけて背中を摩擦した、
「ロイ坊、もうちょっと我慢しな」
連絡の届いていた病院の下では、看護婦が待っていてくれて、そのまま処置室に運ばれ私は、医者に託した。
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