For your LOVE

□指ぱっちん御礼5
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だただ、身体が怠くて熱くて、思う様に動けなくて、自分の身体が自分の身体じゃないみたいで、まどろっこしかった。

畜生…何でこんな目に合わないといけないんだろう、苦しいよ、痛いよ…


そこに伸びる手、ピンポイントを狙うかの様に背中を摩られ、不思議と痛みが和らぐ。

うっすら目を開くとロイが見ていて、背中を撫でてくれていた。

オレがあんまりにも痛がるか何かで知らない人の姿が見えていて、腕にチクリと痛みを感じた。

やがて慣れない浮遊感が身体を巡ってきてオレは意識を飛ばす。

そして人の温もりで目を覚ませばロイが添い寝をしていて、オレの腰に手をあて眠っていた。

「…ロ…イ ?たい…さ…」

「エド…。目覚めたか、スマン起こしてしまったか?」

「違う、ごめん、ありが…と…起こし…たね…」

大佐はオレの頭を撫で、おでこを寄せられて、言われた。

「私がかまってやれなくて、雨に晒して風邪を拗らしてしまって、更に悪化させてしまった。謝るのは私だ…。」

謝るなよ…
謝るなよ…
オレだって悪いんだ…
オレだって悪いんだよ…

言いたいことも言えずに、オレはふたたび闇に落ちる。
優し過ぎる手、好きなだけ甘えさせてくれる腕の中。
添い寝してくれてる大佐が温かくて、シャツを握りしめた。



 翌朝、喉の渇きで目を覚まし、オレは水を要求した。

身体には倦怠感も熱も残っているみたいで、けれど大佐の姿はなくて、マダムが水を飲ませてくれた。


「水だよ、ゆっくりとお飲み。」
身体を起こしてもらい、背にクッションを入れてもらうと、オレは何とか身体を起こして、水を飲み干した。

ついでに粉薬を渡され言われるままに服用し、マダムの顔を見れば、その顔は以外にも優しくなんだか安心した。

「ロイ坊と一緒だね、あの子もアンタ位の歳の時はかなり手がかかったからね〜。成長期って言うやつ、どっちにしろ、男の子は弱い所あるから、」
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