For your LOVE
□指ぱっちん御礼4
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「鋼の!!」
気がつくと、私はバーカウンターのマダムへの挨拶もままならぬまま、2階にある寝室へ向かった。
そして見つけるは、小さなあのコ。
真っ白なシーツに埋もれて眠る。金糸が枕に流れ、オデコにタオルをのせられて頬っぺたを紅く染めていた。
近寄って、恐る恐る触れれば、予想通りの展開。
「かなり高いな…。」
オデコにのせられていたタオルを手に取り、冷たいに水に潜らせて、頬っぺたを拭き、鼻のてっぺんを拭く。
揺れる睫毛…。
「鋼の?目が醒めたか?」
熱の時、特有の潤んだ瞳が私の姿を見つけて、瞬きを繰り返す。
「あっ…アンタ…か…」
「鋼…」
オデコにのせていた、タオルが投げつけられ、鋼のが睨んできた。
「嫌いだよ…。
嫌いだよ…。アンタのことなん…か…」
ポタリと涙が落ちてゆく。
オレは少し後悔した…。
寂しい事を口に出せなくて…。
ただ一緒に居たかっただけ何だけど…。
ロイは、やっぱり近くて遠い…。
伸ばした手が、届かなくて、突然目の前の景色がグニャリと揺れて…。
大佐の叫びが聞こえた気がした。
「エド!エド!」
私は、知らない間に大声を上げていて、マダムが階段を上がってきた。
「ロイ坊!何もそんなにも動揺する事はないよ…。大切何だね…この坊やの事が…。
覚えてないよね、アンタもちっちゃかった時、成長期の時とか、そりゃ手がかかったよ、風邪ひけば、拗らすし…。
今は、元気みたいだけど…。」
こなれたマダムの優しげな手つきが、鋼のシャツを脱がし、新しいシャツを着せる。
マダムの姿を呆然と見つめてしまった。
「熱が上がったのは、ちょっと暑かったんだろうブランケットを一枚減らせば良い。
上手く体温がコントロール出来てないね…。
この坊や、持病あったよね?後、目が醒めたら、ちょっと食べさせて…
どうしたロイ坊?
何か思い出したかい?」
「あぁ思い出したよ…。
うん…大丈夫。すぐに元気になってくれるよ。」
「まぁロイ坊が小さかった時同様…拗らせてなかったら良いけど。
とにかく、シャワー浴びて一度着替えたら?」
「お借りします。」