Black World
□至上の愛3
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大好きだと何度も言われた長い髪を何度もタオルドライして、一つに纏めた。
渡されていた新しいワイシャツに着替えて部屋に戻る。
「兄さん、サッパリといい感じになったね。あとこれどうする?」
渡されたのはアイツの眼帯、メイクでわかりにくくしても、やはり片目を失ったお顔には間違いない。
「つけておく。じゃないと、多分気にするだろう?ナルシストだし、コイツ。」なぁ大佐。」
それでも装着するとなれば、やっぱり手が震える。
左目にそっと乗せて左の耳に紐をかけもう一方はおでこの辺りに紐を這わせ、頭を持ち上げて貰い後ろで交差させて蝶結びを作る。
軽く乱れた髪を手ぐしで整えた。
「折角の男前なのにな、こんなでっかい、取り返しのきかない怪我して。
人の事ばっかり気にかけて、自分の事出来てないじゃん。」
右手が伸びて眼帯の上をそっと撫で髪に触れた。
「ったく…。男前が台なしじゃん。」
笑みがこぼれ顔を見合わせた。
対キングブラッドレイ
対アーチャー
本人の口から話を直接聞いてはいたものの、中尉からその時の話を伺うとなかなか壮絶な話だった。
この前にも大きな怪我をしてるし、北でも死にかける様な大怪我をして、人には何時も気をつけろ、とかそんな事ばっかり言うくせに
ったく…
失明してしまう大きな怪我は完全に潰れてしまってその目は閉ざされ縫合されてて二度と開かない。頬にも大きな切り傷に残し消えない傷になっていた。
それを大きな眼帯と髪を伸ばし、隠していて。
オレは久々に遭遇したときには、暫くの間真っすぐ見れなかった。
眼帯、似合わないなんて言ってしまったけど。
けど片目だから、アイツ沢山苦労してた、左はガードが甘い、見えてないからね。距離感も狂うから、ちゃんと掴めてなかったり、見にくそうにしてた。
それでも、頑張ってんだよ。アイツ。
一緒に動いていて怖かったのが、何かあると、又怪我しないか心配だった、又、目スレスレの怪我したり。
オレを庇ってる場合じゃないよ。自分を大切にしろよって…。
あの両目で見つめられる瞬間。大好きだった。
時には怒っていたり、
笑っていたり。
目は口ほどにものを言うって言うけで。
以外と表情豊かで、
オレがよく寝込んだ時、目を覚ますと、アイツの瞳がじっと見つめてくれてて、凄く安心出来た。
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