WonderfulWorld
□WonderfulWorld7
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つんざく硝煙の香り、温度を失う部屋、アイツの愛した物が粉々に壊れてゆく
そして血に染まる…。
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白い世界に響く、銃砲の音、俺の肩をそれは掠めた。
「鋼の伏せろ!!!
左目の利かないアイツ、抱きしめられた身体からダイナミックに何度も響く振動。その振動は
俺の事をかばって砲撃を受けた時のダメージ、
「無事か鋼の?
とびきりの笑顔。
その笑みからこぼれるアイツの真っ赤な鮮血…
アイツは苦痛一つない表情のまま俺にかぶさり、俺は大声を張り上げた
「ヤダァ!
大佐ぁー!
俺は直ぐに手を合わせ錬成を開始する。
割れたガラスの間や破壊された壁の間から容赦ない雪が吹き込み部屋を白く染める。
そして 聞こえるは断末魔の叫びと、懐かしい声。
「大将!!
屈んた姿勢のまま銃を構え入ってくるのは、昔と変わらない煙草の香りをさせ入ってくるハボック、
そして、
「全て…仕留めたわ…
大型のライフルに真っ白の装束、新しい硝煙の香りをさせ現れたのは、そう鷹の眼。ホークアイ中尉懐かしい面々と共に北部の軍部が踏み入れてきた。
俺は大佐の傷を押さえる事しか出来なくて…。
唖然とその場にへたりこんでいた。
部屋の中に響く靴の音、
綺麗に磨かれた床は、血と、溶けた雪とで、ドロドロになり、アイゼンで無残な傷が付けられてゆく…。
淡い緑したアイツが唯一、春みたいで綺麗だろうと照れながら話してくれたラグマットもその色を失っている
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身体が硬直して動けなくなった俺は、二人がかりで大佐から剥がされ、軍医と仲間が大佐の元にすぐ駆け寄った。
そして返り血を浴びた俺の身体に毛布がかけられ、その中で大声で泣いた。
「俺…ロイがっ…
忘れてたから…幸せ過ぎて忘れて…から、俺は…ごめんな…さい
「大将!しっかりするんだ、
ハボックは動揺する俺に付き添い、名前を呼ばれ続け撹乱する俺を落ち着かせるために抱きしめられるが、久々の発作に苛まれた。
「オレ…あっ
…ゴホッ
ゴホッ
ブレダ!!大将の肩の手当てして!とりあえず止血して!!
「鋼の大将、どうした?
ボロボロと涙がこぼれ、止まらない咳と肩の焼ける様な痛みに肩で息をして一点を見続けた。