WonderfulWorld

□WonderfulWorld3
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乱暴に扉が開けられ、俺は暖炉の前の椅子に座らされ、手厚い介抱を受けた…誰がやってくれてるのか気がつかないでいて…




部屋に入るなり、ロイはエドの靴を脱がし、桶に湯をはり冷え切った足を突っ込んだ、暖炉にマキが掘り込まれ炎が上がる、

雪と身体の熱を吸い込み冷えきった上着を脱がされ、暖炉の前で温められていたショールをかけ、その上からロイが身体を強く摩った

「鋼の目を開けろ!

ぺちぺちと頬を叩かれ、ロイの腕の中に力ない身体がうなだれる、意識は嫌な咳とロイに気付け薬に飲まされたブランデーで意識を呼び戻された、

「すまん…キツかったなアルコールは、

エドはロイの肩に頭を擡げ、ロイはその鋼の背中を更に強く摩り、エドの意識を途切れさせないように何度も声をかけては、抱きしめた。

「鋼の…

       鋼の…

その懐かしい声がたまらなく優しくて…



けど、その声がアイツだなんて気がつく訳もなく、寒くて寒くて、何だか淋しくて…
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