WonderfulWorld
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「終点〜終点〜
アナウンスの音で目を覚ます、大きな伸びとあくび、身体を動かすとポキポキと鳴った、懐中時計を見ること、
丸二日かかったな…、
重たいじゃばらの扉を開け再度鉄の扉をに手をかけ横に勢いよく開けると冷たい風が容赦なく打ち付けて、その風を吸い込んだエドは、酷く咳込んだ
冷たい…っその場にしゃがみこんでしまい、むせあげる咳を我慢出来ずに何度も咳込んだ、
「お客様大丈夫ですか?
駅員に声をかけられ、腕を借りてその場を後にする、暖かい部屋に通され、湯の入った小さな桶を置かれる、桶からは湯気が上がりその蒸気を吸い込むと、次第に呼吸が楽になってゆく
「すいません、世話になりました…
「何かまわんよ…人の少ない駅だ…寒いからな…、慣れれば平気だが、冷たい空気で、むせてしまう人は少なくないんだよ…たいてい、蒸気を吸えば良くなる…
エドは焦った。
ミュンヘンに居る間に体調を何度となく崩している、一種の公害による被害者と言うか…工場からの煙りに戦争…空気は淀み太陽の光は何かにさえぎられ…
軋む身体、床に何度となく身体を埋めた、
ハイデリヒも又、肺に病を患っており、苦しむエドの事は身に沁みてわかっている、その度に背中を摩ってやっては薬を飲ませてくれた…