WonderfulWorld
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甘え過ぎてごめんなさい
アイツは(ロイ)はどこ?
大佐なら北よ…。
久々に戻ってみたら、奴はいなかった…。
折角扉を抜けて帰ってきたら、この有様…
「大人っぽくなったね…
エドワード君。
数年ぶりに見た中尉は前よりも線が細くなっていた…
すすめられるままに、ソファーに腰をかけ、ゲスト用のティーカップにミルクティーを注いでくれる、
「甘いのが好きだったよね?
ミルクと砂糖たっぷりのロイヤルミルクティーを中尉はわざわざ容れてくれた。
懐かしい味が久しぶりに染み渡る、ここに邪魔(仕事)しに来ては、中尉がロイヤルミルクティーを用意してくれたっけ…。
どっかりと座っているはずの奴の椅子には誰もおらず、ただ昼からの柔らかな光が主の居ない椅子を照らし帰りを待ちわびている様に見えた。
紅茶の薫りが部屋を満たす頃、中尉が奴のいる場所を教えてくれた、決して近い場所ではなかった、近くには国境が走る、事情も一から話してくれた…。
「行くの?
「わからない…
「中尉、美味しかったよ…中尉の容れてくれるミルクティーは最高だよ…
ありがとう
何かが吹っ切れると、突然大人びた顔を見せ、深々と頭を下げるとエドは慣れ親しんだ部屋を後に走り出した
いつから、こんなお世辞が言える様になったのかしら…
エドワード君、大佐をお願い…。
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北行きの汽車のチケットは簡単に手に入れる事は出来たが、雪でなかなか進まない事を知らされて、汽車は雪の中でもう何時間も立ち往生をしている。
外の雪は激しさを増し景色はただ白かった。