Novel

□響
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木手は最近、携帯ばかり見ている。

「木手、そろそろ監督来る。サボってんの見られたら殴られるぞ」
「…わかってます」

俺は、なんであいつがなんで携帯を気にしているのか知っている。

手塚からのメールを、待っているんだ。

試合の後にメアドを教えあっていたのを見かけた。
大会の進行状況を教えろって言っていたが、本当は違う筈だ。
だいたい、結果くらい自分で調べられるに決まってる。

きっと、好きなんだ。(比嘉中テニス部で噂になってるし)

そうじゃなかったら、他人に興味の無い木手が連絡をとりたいなんて思う訳がない。

俺は木手が好きなのに、あいつは俺じゃなくて手塚が好きなんだ。
改めてそう思うと、辛かった。
八つ当たりだが、手塚にも木手にもイライラした。
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