たんぺーん

人間依存症
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困った事に世の中ってものは案外複雑に出来ていて、




"何か"と"何か"は両立出来ないらしい。







現に今だって、教科書に挟んであったカミソリによって指の腹がパックリと開かれていて、何故だかその場にいた源田に手当てしてもらっている。



「………なんでこんな事…」

「まぁ、彼女達にたいした意味なんてないんだろうね、ただ、"自分に不都合だった"からとか、きっかけとかはなんだってよかったんだよ」

「……………」

「いつも被害を被るのはいつも私なんだ。……まぁ、もう慣れたけどね」

「……んな、こと……う…な」


無言で話を聞いていた源田が口を開いた。そりゃそうか、自分の周りの人間をこれだけけなしてるんだから。まぁ、源田も周りのヤツラと同じだったってことさ。





「"慣れた"とかそんな悲しいこというな」





「そんな事慣れる必要なんかないんだ」

「しょうがないじゃん、人間なんてそんなもんなんだから」

「だったら…なんでそんな泣きそうなんだ」

「……………え…」



泣きそう……?

まさか、だって今までだってこんな事……。
俯いて黙っていると、源田は後頭部に手を添えて、自身の胸に寄せてきた。

……うん、そうだ。本当は……。



「……別に悲しかった訳じゃないよ、何されたって私には関係ないし、もう慣れたし…」

「…………」

「ただ、だけどやっぱり裏切りられるのは……辛い…」



あ、ダメだ。

私って涙腺弱いな……あーダメだ、これじゃ源田の制服汚れるじゃん。


「確かに、回りの奴らなんかお前を傷付けて来たし、裏切ってきた。俺だって、お前の事を知らない内に傷付けるかもしれない」

「…………」

「だけど、それでも俺はまたこうやって胸は貸してやれる」

「…………」

「だから、泣きたい時や辛い時は遠慮なく来い。俺はお前が好きだ。」

「…………は!?」

「だから、お前が辛い目に合ってるのは嫌だ。だけど、それは俺がどうこう出来る問題じゃない。……だから、せめて俺はお前の寄り処になりたい」



後頭部にあった手はいつの間にか背中に回されていて、体が触れている所からは源田の温もりが伝わって来て、さっきとはまた違う涙が零れ落ちた。









初めて人の前で安心感を感じた




*****



初めて真面目に書いてみた。


グダグダやな……
源田の男らしいところを見たかったんです


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