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□ぷれぜんとよりも
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「先輩、明日ケーキ食べにいこうよ」
「……………」
え、無視?
というかね。さっきから、見てるか見てないか分からない雑誌をパラパラめくってる。
先輩のぼんやりは今に始まった事じゃないんだけど…最近特にヒドい。
もうね、全っ然僕の話を聞いてくれないしさ。いい加減僕も怒っちゃうわけ。
「ねーえー!先輩ー!聞いてるのー?」
耳元で大きく叫んだら、ボソっと『うるさいなぁ』と言われた。しかも少し怒ってる。
なんで?酷くない?僕どんだけ可哀相なの?怒るのは普通、僕だよ?
「先輩さぁ、最近おかしいよ!話したくないなら、そう言えばいいでしょ?」
「え?…ち、違うよ?」
ねぇ先輩。なにが違うの?
こうやって僕が怒ったときだけ、話すんだもん。普段は話したくないって事じゃないの?
「本当は、別れたいとか思ってるんでしょ?絶対そうだよ」
「だ、から…違う…って」
…なんで先輩が泣くの?
僕だってずっと泣きたかったのに。
あーもう、だめ。僕いますごく悲観的。
「もういいよ。僕帰るね」
そう言って立ち上がると、ビクッと肩を揺らして怯えた。
勝手だよ、先輩。僕がいても喋らないのに、帰ってほしくないの?
もう、意味わかんないよ。
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