GS2.
□過去拍手:瑛くんと下校
1ページ/1ページ
(過去拍手SSです)
「ねぇねぇ、瑛くん。」
今日も疲れた、学校。と考えていたら、ふいに名前を呼ばれた。
声のする方に振り向くと、プスッと頬に指が刺さった。
「あははっ。引っ掛かったー」
と、笑いながら走っていく後ろ姿を見つめていると、自分が今イタズラをされた事に気づいた。
自分が負けず嫌いな事は自覚済み。
お返しにチョップをしてやろうと、走って追いかけた。
「おい」
やっと追いついて声をかけると、なぁに?と、やけにニコニコした顔が目に入った。
そんな顔が気に入らなくて、さっきのお返しのためのチョップに少し力を入れた。
「いたっ。痛いよ、瑛くん」
思ったより力が入ったのかも、と思って、ごめんと言おうとすると頭にチョップが降ってきた。
「うそだよ?瑛くん、ひっかかりやすいね」
とまた笑い出すから、ますます気に入らない。
また俺がチョップをすれば、やり返してくる。お互い負けず嫌いな証拠。
「瑛くん。そろそろ負けを認めようよ」
「いーやーだ。俺は負けない」
俺の言葉にクスクス笑いだすから、余計負けたくない。
「このままやってたら…私達ラブラブカップルみたいだよ?」
ラブラブカップル…?
その言葉にハッとなって周りを見れば、俺達をチラチラ見ていく人がたくさんいて、顔から火が出るくらい恥ずかしくなった。
「瑛くん、顔真っ赤」
そう言って笑い続けるから、余計に恥ずかしくて。
冷静に考えれば、アイツにイタズラをされて俺がやり返した時点から、ラブラブカップルみたいだったじゃん…
はぁ…と溜め息をついてみたり、頭をポリポリかいたりして、気を紛らそうとしても、周りの視線が気になる。
まぁでも、アイツが笑ってくれるなら、この際ラブラブカップルでもいいかなんて思う。
とりあえずこの場から逃げたくて、今だに笑うアイツの手を掴んで走りだした。
最悪…でもない、そんなラブラブな帰り道。
(ラブラブな帰り道)
_