GS2.

□過去拍手:瑛くんと下校
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(過去拍手SSです)


「ねぇねぇ、瑛くん。」

今日も疲れた、学校。と考えていたら、ふいに名前を呼ばれた。

声のする方に振り向くと、プスッと頬に指が刺さった。


「あははっ。引っ掛かったー」


と、笑いながら走っていく後ろ姿を見つめていると、自分が今イタズラをされた事に気づいた。


自分が負けず嫌いな事は自覚済み。
お返しにチョップをしてやろうと、走って追いかけた。


「おい」


やっと追いついて声をかけると、なぁに?と、やけにニコニコした顔が目に入った。

そんな顔が気に入らなくて、さっきのお返しのためのチョップに少し力を入れた。


「いたっ。痛いよ、瑛くん」


思ったより力が入ったのかも、と思って、ごめんと言おうとすると頭にチョップが降ってきた。


「うそだよ?瑛くん、ひっかかりやすいね」


とまた笑い出すから、ますます気に入らない。

また俺がチョップをすれば、やり返してくる。お互い負けず嫌いな証拠。


「瑛くん。そろそろ負けを認めようよ」

「いーやーだ。俺は負けない」


俺の言葉にクスクス笑いだすから、余計負けたくない。


「このままやってたら…私達ラブラブカップルみたいだよ?」


ラブラブカップル…?
その言葉にハッとなって周りを見れば、俺達をチラチラ見ていく人がたくさんいて、顔から火が出るくらい恥ずかしくなった。


「瑛くん、顔真っ赤」


そう言って笑い続けるから、余計に恥ずかしくて。

冷静に考えれば、アイツにイタズラをされて俺がやり返した時点から、ラブラブカップルみたいだったじゃん…


はぁ…と溜め息をついてみたり、頭をポリポリかいたりして、気を紛らそうとしても、周りの視線が気になる。



まぁでも、アイツが笑ってくれるなら、この際ラブラブカップルでもいいかなんて思う。


とりあえずこの場から逃げたくて、今だに笑うアイツの手を掴んで走りだした。






最悪…でもない、そんなラブラブな帰り道。








(ラブラブな帰り道)
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