GS2.
□過去拍手:ハリーと下校
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(過去拍手SSです)
「ハリー自転車で来たの?」
「オウ!遅刻しそうだったからなー」
寝坊して自転車に乗って来たは良いけど、校門で氷上に会ってヘルメットを被れとかブツブツ言われて、結局遅刻したんだよな。
「ね、ハリー。後ろ乗せて?」
「なんでオレ様が…」
つか、乗せて?って言いながら、もう乗ってんじゃねーかよ。
「おい!君達!」
一言文句を言おうと振り向くと丁度氷上がいて、校則がどーとか言いながらこっちへ向かって歩いてきた。
今捕まったら自転車没収されるしな…。ワリィ、氷上!と思いつつも、無視して思いっきり自転車をこいだ。
「氷上くん、怒ってたねー?」
しばらく自転車をこいでいると、コイツは笑いながらそう言った。
「だいたいオマエが勝手に乗るからだろ?つか、明日氷上にどやされたらどーすんだよ」
「ごめんごめん。そしたら私も一緒に怒られるから」
まぁコイツと一緒ならいいか。なんて思いながら、家に向かってこぎだした。
「あっ!ハリー!止まって!猫ちゃん!」
と、突然大きな声を出されて、急ブレーキをかけた。
「びびった…なんだよ…」
「ほら、見て?可愛い。」
首輪ついてるから飼い猫かな?なんて言いながら、無邪気に戯れ始めた。
「ほら、猫ちゃん。あの人が将来のスター、ハリー様だよ」
不意に言われた言葉が最高の誉め言葉で、思わず頬が緩んだ。
ニヤけた自分が恥ずかしくて、頬をペチペチ叩いていると、アイツと戯れていた猫は走って去っていった。
猫を見ていた目線をアイツに戻すと、行っちゃったーと呟いて、少し残念そうな顔をしていた。
「帰ろーぜ?寒いし」
自転車に乗り直して声をかけると、はーい。と返事をして後ろに乗った。
そっからの帰り道、寒い寒いとあんまり文句を足れるから、片方の手を後ろに回して手を掴んでやった。
「ハリーの手も冷たいね?」
と言いながら、オレの手をまた前に戻して、腹の前でギュっと両手で包むようにして、握り直してくる。
オマケに頬を背中にピッタリくっつけてくるから、オレはもうドキドキで。
このドキドキがバレませんよーにと思いながら、家へとこいだ。
アイツを送り届けたあと、握られていた手をブレザーのポケットへと突っ込んで、ニヤける自分を必死で堪えた。
(そんな冬の日の帰り道)
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