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拍手レスや突発短文等。
◆突発文:+10骸髑
―おやすみなさい、凪
夜が来る。
貴方に会う。
貴方と別れる。
別れ際の言葉はとても優しくて、とても寂しげで。
おはよう、は言えない。
貴方には、言えない。
いくらこの世界が昼間のようでも。
目が覚めて、涙を流す。
骸様、骸さま、むくろさま
繰り返し名前を呼ぶ。
心の中で、何度も。
答えは、ない。
「むくろ、さま」
「どうしたんですか?凪…」
気がつくと私を見下ろす貴方がいた。
驚いて思わず飛び起きたら、貴方と頭をぶつけてしまった。
眉をひそめて自分の額を撫でる貴方を見つめ、ズキズキ痛む私の額に手をやる。
夢じゃない、そう実感する痛み。
そうだ、貴方は昨日帰ってきたんだ。
思い出すと嬉しさで涙が溢れた。
「凪っ…?そんなに、痛いんですか?」
そう言って私の顔を覗きこんだ貴方に、何年も言えなかった言葉を紡ぐ。
「おはよ…ござい、ますっ、むくろ…さま」
きょとんとした顔をして、首を傾げた骸様は、小さく笑うと私の額にキスをした。
「おはようごさいます、凪」
何年も訪れなかった朝が、きた。
2011/03/22(Tue) 21:10
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