拍手レスや突発短文等。
◆突発文:スペ→髑(?)※本誌ネタバレあり 

反抗せず、よく従い。
そして何より愛らしい。
マインドコントロールによりクローム髑髏という名の操り人形を手にいれた。

内臓も右目も無い、からっぽな少女。
彼女を満たしていたのは、支えていたのは…。

「六道、骸…」

彼もまた、私の計画に必要だ。
彼を手にいれるために私は彼女を手にいれたのだから。

きゅっ、と少しだけ少女の肩を抱く手に力を込めた。
…そう、彼女を手にいれたのは計画のためだ。
だからこそ、言いなりになるようマインドコントロールなどという手を使ったのだ。

彼女からは話しかけてはこない。
彼女は表情を変えない。
彼女は、言われたことしか行動を起こそうとしない。
―…そう、私がそうなるように仕向けたのだ

まさに人形。
彼女の最後の抵抗。
あの時が懐かしく思えた。

「……クローム」

「はい、D様」

「少し気分が優れません…抱きしめてください、私を」

「はい」

少女は背伸びをして少しばかり背を曲げた私の頭を抱え込む。
…あぁ、もうお前は抵抗しないのですね。

彼女の暖かさも、香りも柔らかさも、全て感じるのに、私は何も満たされない。
むしろ虚しさが増すばかり。
…あぁ、今のお前は私の思い通りなのでしたね。
我ながら虚しいことをしたものだ。


…からっぽだったのは欠損のある彼女の方ではなく、私の方ではないか。

それでも私はこの虚しさを埋める拠り所を彼女に求め、抱きしめる。

あぁ、早く。
六道骸をこの手に。

お前の大好きな六道骸の器の私なら、お前は笑ってくれるでしょうか?
私を好いてくれるでしょうか?
…今みたく抱きしめたら、その私に回した腕に、優しく力を込めてくれるでしょうか?

それが叶った時、私は解き放たれるだろう。
その孤独から。

彼女の手によって…。

2011/01/28(Fri) 18:06

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