拍手レスや突発短文等。
◆クロームとM.M 

貴女は少しお母さんに似てる、と目の前にいる隻眼の少女は言った。

「アンタの母親に?」

アタシが怪訝そうに聞いたら無言でコクリと頷いた。

「…失礼なこと言うじゃない。アンタの母親ってひどい奴だったんでしょ?」

つまりアタシはそれほどこの女に嫌われているのだろうか。
実際にそうだとして、別段自分は困らないが、なんだか少し腹がたった。

「お母さんは、確かに冷たい人だったわ」

彼女の口から語られる母親の姿は、一般の親と比べて確かに冷たく無関心な態度である。

「つまりアタシがその人に重なるわけ?」

そう言うと今度はフルフルと首を横に振った。
なんだと言うのか。

「私に話しかける時の、言い方が似てるの」

少し棘なあるような、突き放すような言い方。
確かにそんな話し方はしてるっけ。

「…でもね、全然違うの」
「?……何がよ」

「…貴女は、お母さんよりずっと優しいもの」

優しい?アタシが?
可笑しくてアタシは声を上げて笑った。
驚いたような顔をして、彼女はこっちを見てくる。

「あのねぇ?アタシがどんな女か知ってるの?自分で言うのも何だけどお金が全てな嫌な女よ?」

ハンッと鼻で笑うとそれでもなお少女は続けた。

「でも、貴女は私に、話しかけてくれる。私を、見てくれてる」

「…アンタそれじゃあ大抵の人が『優しい』やつになるじゃない」

「…そうだね」

…だから案外世界は優しいのかもしれないわ。
小さく笑って女は、クローム髑髏は言った。

「…馬ぁー鹿。世間はそんな甘くないわよ。…あぁもうっ!だから世間を知らないお嬢ちゃんは嫌いなのよっ!」

「ご、ごめんな…さい」

「何謝ってんのよ?…世間を知らないなら知ればいいだけじゃない」

「…?」

お金ならないことをするのは、馬鹿だ。
…けれど。

「だから教えてやるわよ、このアタシが直々に!感謝しなさいよ?珍しく無料でやってやるんだから」

「?…ありがとう」

どうやらアタシはどんどん『馬鹿』になってきているようだった。
…だって、放っておけないじゃない?こんな子。
たまには慣れないことを、してやろうじゃないのよ!

―――――――
M.Mは何だかんだ言いながらクロームの世話を焼いちゃう子だといいな。
もう!何なのよアンタは!?と言いつつもクロームのこと心配しちゃったりとか。
黒曜ガールズは仲いいといいな!
ただ気がかりなのはM.Mは「私」と言うのか「アタシ」と言うのかがわからなかったことです…。

2010/12/07(Tue) 22:27

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