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◆突発文:骸髑・スペードに彼女いた設定前提 骸とスペード 

「私と君は似ていますね」
D・スペードはそう、呟いた。

「…似ている?僕と貴方が?…やめてください、気色が悪い」

骸はさも嫌そうに答えると、スペードは苦笑した。

「えぇ、確かにそうですね。どちらかといえば、忌々しい事実です」

まだ言うのか、と骸は眉間に皺を刻んだ。

「忌々しいと思うなら、わざわざ言いに来ないでください。…不愉快ですよ」

「忌々しいからこそ、言いに来たんです」

何が言いたいのだ、この男は。
苛立ちを隠そうともせず、スペードを骸は睨み付けていた。

「これは忠告ですよ。]世の霧の守護者、君へのね」
「…回りくどい言い方はやめて、さっさと本題だけ話してください。…僕は今から」

「可愛らしいあの娘に会いに行くのでしょう?」

微笑しながら放たれた言葉は、図星であり、何も言い返せなかった。

「悪いことは言いません、大切ならあの娘を手放しなさい。あの娘のためにも、君のためにも」

「馬鹿馬鹿しい、貴方の用件はそれですか?何と馬鹿げたことを」

「君はわかっていない、自分の立場を」

微笑していたスペードは、いつになく真剣な顔だった。

「君は悪人だ。そして、死んでもそれは変わらない。魂は輪廻の輪から抜け出せない」

「…何が、言いたいのでしょう?」

「君は彼女と共にいられない。君は廻る、彼女は廻らない。もし君の魂が輪廻から抜け出せても、彼女と同じ場所にはきっと行けない」

スペードの言葉は、骸のにとって重々しい事実そのものだった。

「…私も同じ、ですよ。ボンゴレリングに意思を宿しているから魂は還れない。もしリングから意思を離すことが出来ても、行く場所は暗く冷たい場所だ」

「……貴方にも、愛した人がいたのですか」

スペードはまた微笑し「どうでしょうね?」と曖昧に答えた。

「兎に角、わかったでしょう?私の忠告を」

―私と同じ思いはしたくないでしょう?

スペードの瞳はそう語っていた。

「えぇ、まぁ。…それでも僕は彼女を手離すつもりはありませんけどね」

貴方に従う義理はありませんからね、と骸は微笑した。
一瞬、スペードは目を見開いたが、すぐに調子を取り戻した。

「…まったく。本当に私と君は似ていますね。これはでは忠告した意味がない」
霧は、似てしまうのでしょうか?とスペードは呟き、消えた。


― もしそうなら、それはまるで、呪いのようではないか


骸はそう心の中で思い、苦笑した。

2010/09/30(Thu) 22:22

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