拍手レスや突発短文等。
◆突発文:骸髑 

「骸様は、白が好きなんだと思ってました」

突然、クロームは僕にそう言った。
一体どうしたのかと僕は「どうしてそう思ったんですか?」と聞いた。

「だって骸様は精神世界では白いシャツを着ているでしょう?…私の服だって、白ですし、…てっきり好きなのかと」

クロームは一拍置いて、さらに続けた。

「だけど、戦っている骸様の服は黒でした。…だから、どうして精神世界では白い服なのかと思ったんです」

何だそういうことか、と僕は小さく笑った。

「僕は黒が好きなんです。白い服を着ているのはこの世界で姿を保ちやすいからですよ」

半分は嘘では、ない。
黒は僕の好きな色だ。
だけどこの服が白いのは、そんな理由ではなかった。
初めて彼女にあった日、彼女が僕の声を聞き取った時、『使える』と思ったのだ。
しかし、初対面の相手に黒衣を纏い、『君が必要です』なんて言ったら彼女はきっと怪しんで、僕の手を取らなかっただろう。
そう、全ては彼女を信用させるため。警戒心を解き、心ごと捕まえるためだった。
そのはずだった。

だが、今は少し違う。

僕は、彼女の前では『白』くありたかった。

黒は僕の本質で、きっと彼女は……僕を恐れるだろう。

だからせめて、白い服を纏い、にこやかに笑っていようと思った。



僕は彼女のそばにいたかった。



彼女に気づかれてはならない。
彼女に恐れられないために。
彼女に本当の僕を知られないために。



彼女が、僕から離れていかないように。



「…骸様?どうかしましたか?……私が、変なことを聞いてしまったから、…怒っているんですか?」

僕がしばらく黙っていたせいで、彼女は不安げに僕の顔を覗いてきた。

「…いえ、なんでもありませんよ」

にっこりと笑うと、僕は彼女の腕を引いて、彼女を抱き寄せた。

「っ!?む、骸様っ!?」
「クフフ…僕のことを気にかけてくれるなら、…ずっと僕のそばにいてくださいね?クローム…」

そう言うと彼女は耳まで顔を真っ赤にして「……はい」と頷いてくれた。

離しませんよ?君のこと。

……少なくとも、君が僕の本性を知って、逃げたしてしまうまでは…



end.
――――――――――
あとがき

骸さんはクロームちゃんの前では白い服着てるよね!
というわけで妄想←

骸さんはクロームちゃんを手放したくないけど、怯えて無理してそばに置くのは気が引ける…みたいな。
独占欲は強そうだけど、クロームちゃんを大切にしたいって思っていたらいいなーって思うんです。

2010/08/30(Mon) 20:34

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