贈捧

□ツンデレ黄金比
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「……………貴方最近、ツンが足りないわよねぇ…………」










【ツンデレ黄金比】








「ハァ?」




あからさまに意味が分からないといった顔をするジョーカー

アリスは頬に手をついて白いテーブルの向かいに座るジョーカーをつまんなさそうに見る


テーブルの上には散らばったトランプ





ここはサーカス、今は準備中だ





ここでは時間が止まっていると聞いてよく入り浸ったっている

いつもなら愛想のいいジョーカーが出てくるのだが最近はちょくちょくもう一人が出てくる


まぁどっちでもいいんだけど





「何が足りねぇって?」

「だから、ツンよツン。冷たさが最近足りない」

「てめェ……薄々感じてたが………」

「違うわよ?」




ドン引いた顔のジョーカーを睨みつける

決して、私にそちらの気はない




「ちょっと前まではツンとデレの割合が8:2だったのに今じゃ6:3に……」

「何言ってんだお前、つーか1割足りねぇぞ」

「『天然』よ」




はぁ?と眉をひそめるジョーカーにため息を付くアリス

エイプリルシーズンになったばかりのときのことを思い出す



確か森でもう一人の方の腰に仮面として会ったが散々言われた気がする




監獄でもかなり冷めていた、ていうかちょっと怖かったし

だがそれが良かった


それがいまやデレを見せる比率が多きくなって……




「8:2、これがベストなのよ……!!」

「(何言ってんだコイツ)」




ガンッとテーブルを叩くアリスを白い目で見る


溜め息を一つ落とし、散らばったカードを集めて鮮やかな手つきできりはじめる

「8:2、これがツンデレの黄金比なの…!!それを…」とブツブツ言っているアリスだが
その話しに興味がないのでジョーカーは無視する


暫くしてアリスが溜め息を吐きボソッとつぶやいた







「やっぱりユリウスが理想のツンデレの形なのかしらねー」







ピクッ

とジョーカーの耳が反応し、カードをきる手が止まる

アリスは気付かずまたブツブツ言い始める




「あんなツンデレ早々いないわよね、なんであそこまで素晴らしいツンとデレを見せてくれるのかしら、楽しー……………」




ガンッ
とジョーカーが乱暴にトランプをテーブルに置く

驚いてアリスが固まる




「ど、どうしたの…?」

「………………………」




身を乗り出すようにアリスに顔を近づける

今にも唇が触れそうな距離、
嫌でも視線が重なる









「他の男と比べんな」









それだけ言ってまた椅子に座り、
何事も無かったかのようにカードをきりはじめる



そんなジョーカーとは逆に口元を抑え顔を赤く染めていくアリス

目を見開いてジョーカーを仰視する





「……そ、そういうこと平気で言うから天然だって言ってるのよぉぉぉおおおおお!!!

「ハァ!?てめーさっきから意味わかんねーぞ!!」






ギャーギャーと途端に騒がしくなるサーカス


いつもと変わらない二人を無視して団員達は練習を続ける




アリス達のいる方に背を向けて団員達を見ていたジョーカーが呆れたように溜め息を吐いた








ツンデレ黄金比
(アリスも最近ツンが少なくなってきたよねぇ…)




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