短編集

□純粋に濁ったその愛を*(佐小太)
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「……あれから大変だったんだからね俺様。北条の老いぼれは殺れてもアンタは、アンタだけは決して倒れなかった…!」


表情は薄笑いのままだが、その声には僅かな怒気が含まれていた 

顎に這わせていた指をつうっと首筋に移す 


「ホント、驚いたよ。だって武田軍の総力をあげても適わないなんて……」

「…………」

「でもね、俺様分かってたよ?小太郎の事は何でも分かるんだから…」 

「……!!」

「だって、驚いたでしょ?……まさかあそこで武田軍全忍隊と真田幸村、そして武田信玄が出てくるなんて」 


……あぁ、そうだ 
俺はこいつの罠にハマったんだ 



「必死だったね〜…皆。……このままじゃ駄目だ!!って慌てて言えば信用して行くんだから…」


俺様笑っちゃったよ




何て奴だ 


胸中で小太郎は身震いした 


そう、あの時兵士達を薙ぎ倒し一人となった小太郎の元へあろう事か大将の武田信玄、そして真田幸村が忍隊を引きつれて奇襲してきたのだ 


小太郎一人に対し相手は信玄率いる軍勢 



忍隊を全滅させた頃には心身共に限界に近かったし、大将の信玄の首を取った時の真田は怒りの力もあってか凄まじく強かった 



ようやく全員倒した時には身体の感覚が無い位に疲労していたのは覚えていたが

 



そこで猿飛佐助が現れたのだ 










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