光を掴む者 闇に堕ちる者

□7.兄の価値
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グアラニートの首都『シムリス』から流れ出るような勢いで、騎士団が軍事施設のある西南部へと、進軍している。実は、ウルから事前に進軍命令が出されていたのだ。


『大爆発が起こる時に戦争を開始する。直ぐ様、魔族の軍事施設を狙い、エルフの里を襲撃せよ。指揮は、カーレルとザッターニに任せる』


これがウルから出された命令だ。戦争を行う事は知らされていたが、いきなりのことで皆戸惑っている。


ウルが直接支配している六星神の下にいる、レガリス騎士団。騎士団の中にはウルの姿を見たことが無い人もいる。騎士団をウルが動かす事はあまりないが、個人やある隊に指令を出すことはしばしばである。


最も戦争が始まった今、それはどうでもいい事だ。目の前の敵を倒して、生き残る事しか彼らには無い。


今回の戦場は施設へ向かう中間点にある橋だ。そこから北西に進むと、魔族の国へ入る。他に海から行くことも出来るが、陸から向かう時はこの橋を通るしかない。つまりこの場所は、魔族にとって守らなければならないところだ。一方、人間側としては、ここを越えれば後は楽に行けるのである。










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