光を掴む者 闇に堕ちる者

□5.開幕!悪夢の闘技大会(後編)
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過去に飛ばされたルニスは、精霊のヴェーリクと共に、シュライド城を訪ねる事に決めた。


「姫様。城の状況は、今のところ分かっておりません。くれぐれも無理は為さらないように、お願いしますよ」


「一応約束するが、あの体勢では手荒な歓迎を迎える事に成りかねんぞ」


シュライド城の城門には、兵士達が集まり出していた。


「おい、時間が無いんだ。モタモタするな」


「間もなく、完了するところです」


何やら妙に騒がしい。ルニスは、近くの草むらに隠れて会話を聞いていた。


「それにしても、国王はどうしてこんな命令を出したんでしょう?」


一人の兵士が、部隊を指揮していた男に尋ねた。それに対し、指揮官は口を濁すように呟いた。


「早かれ、遅かれ、いずれ戦争が起こる事を察したんだろう。攻められるなら、こちらから攻めるしか有るまい。陛下なりの対策なのだろうな」


それを聞いて驚いたのは兵士では無く、ルニスだった。


(こちらから攻めるだとっ!!一体何が起こっている。これでは、私が体験したことと違うじゃないか)


「さて、まずは魔族との戦争になるか。奴らは魔術が下手だからな。遠距離で勝負を付けられるだろう」


さぞかし余裕の表情の指揮官。質問した兵士も、その表情を見て安堵したようだ。










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