光を掴む者 闇に堕ちる者
□3.接触
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北へ進んで歩いていたダーク・バインドの四人は、朝方にエルフの里に到着した。まだ陽が昇らないのか、霧が深い。足元に注意して奥へと進む。
「全く、いつ来てもつれねぇ所だな。本当に人間が来んのかよ」
「先ずはミューズ達と里の者の様子を伺おう。何も無ければ良いのだがな」
(・・・それにしてもあれ以来、一度も追ってが来なかった。私達の進軍スピードは至って普通だ。チャンスはあったはず。・・・いや、敢えて外していたと考えるか)
ルニスの後ろを歩いていたレイが、立ち止まっていた彼女にぶつかった。
「い、痛い・・・もぉ、途中で止まらないでよ」
「・・・悪い。私の不注意だ」
ルニスが謝っていた時だ。近くで『ガサガサ』と言う音が聞こえた。これに何かを感じたルニスは、レイを先に進める。
「・・・行け、ここは危険だ」
「えっ!?」
「お前には見せる物では無い。先に行ってサイバー達の援護を頼む」
何の事だか分からないままレイは走り去った。
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