光を掴む者 闇に堕ちる者

□7.兄の価値
2ページ/15ページ

「飛ばせぇ。魔族よりも、先にあの橋を抑えろ。このまま邪魔させるな」


馬に乗って進行している騎士団。予定よりも大分早く進んでいるため、魔族との交戦は未だ無い。


先の任務でギャリアルト本部に侵入していたカーレルとザッターニ。彼らは、まだ任務を終えていなかったが、あの大爆発を知らされ、直ぐ様戻って来たのだ。


「カーレルよ。魔族の奇襲に備え、貴様の部隊を二手に分け、左右から攻撃出来るようにしておけ。我が隊が中央から突破してやる」


「・・・貴様の隊など当てにしてない。特効なら好きにしろ」


明らかに仲の悪い二人。お互いに獲物を取り合っているようだ。


それから、数分後に向こうから多数の足音が聞こえるようになった。


「いよいよだな。イニュシタリンの災厄を起こしてやろうぜっ!!」


何やら騒がしい集団だが、カーレルとザッターニは、先頭を行く男から目を離さなかった。


「こいつら、革命軍だっ。各隊攻撃せよ」


部隊を二手に分けることなく、そのままザッターニが部下を率いて突撃する。


「待てっ!!今は行くな」


カーレルの叫びも、ザッターニには届かなかった。


「来たな。ちょっと遊んでやるよ」


一人だけ、徒歩のディミスが仲間に宣言した。










次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ