フォーリンガール

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ちゃーんちゃらちゃ

ちゃちゃちゃっ♪

ちゃーんちゃらちゃ

ちゃちゃちゃっ♪

ちゃらららちゃららら

ちゃらちゃららー♪



『いっち、にっ、さんっ、しっ』




「何してんですかー」




すぐ耳元で変な音楽が聞こえたので目を覚ましてみれば。

目の前に変な女がいましたー。

・・・・あぁ、そうだ、

ワカメだ、そういえば昨日いきなり現れたんでしたねー。

ミーの教育係とかするらしいですけどー。

わずらわしいったらありゃしない。


そんなワカメは素知らぬ顔でずっとミーのこと見降ろしてて。

いい加減耳元の音楽が煩いですー。





「聞いてますー?」

「起きた?」

「は?」

「絶対あんた寝起き悪いだろうと思ったから起こしにきた」


『にーにっ、さんっ、しっ、』


「つーかうぜぇよ」



耳元にあてられていたのは携帯。

から流れてくる、若い男の声。

多分、日本のラジオ体操の音楽。

・・・起こし方間違ってると思います―。




「はぁ、ミーはもっとセクシーなお姉さんに起こされたかったですー」

「いるじゃないここにっ!!」

「え、どこですかー?」

「ここっ!!」

「ミーにはワカメしか見つけられませーん」

「この野郎まだ寝惚けてんのかこら」



ずごっ!!!



と、豪快なチョップを喰らいました。

・・・あいたた。


ま、百歩譲ってもこのワカメがセクシーとは思えるはずもないんですけど。

「ここにいるじゃない」とか本気で言ってたならドン引きですー。


のそり、と体を起こせば、ようやく止まった男の声。

「ふわぁ」とひとつ欠伸をして、チラとワカメの方を見てみれば満足げな表情で携帯を閉じてました。

・・・・・あれ・・・?




「香奈、さん」

「ぅおっ!!?な、何っ・・・?」

「そんなに驚かなくてもよくないですかー」

「え、・・・いや、だってさ・・・」




まさか名前で呼ばれると思わなかったから。

そう言われて思わず「はぁ?」と声を上げてしまった。

ちゃんと認識してますよ、ワカメなんて呼びませんよ、多分。

何たってミーは良い子ですからねー。

だから教育係なんていらないんですけどねー。




「そ、それで・・・何?」

「あー・・・、」



いきなり話をふられて、何だったっけ、と考え込む。

何も言わないミーを見て、香奈さんは眉を寄せてるけど。

そんなブサイクな顔を見て、「あ、」と思い出した。




「顔、ひっどいですねー」

「なっ・・・!!」

「ブサイクに磨きがかかってますー」

「呼んどいてそれだけかいっ!!」

「いや・・・泣いてたのかなー、と思って」




目、腫れてますし。


付けたしたら、香奈さんは黙りこくって。

肯定はしない、けど否定もしない。



「まぁ、ミーには関係ないですけどー」

「・・・泣いてないし、遅くまで携帯見てただけだし」

「へー、」



もちろん、嘘だってわかってますけど。


ベッドから降りて、「ちょっと待っててください」と香奈さんに言って。

備え付けてある小さな冷蔵庫に向かった。




「はいどうぞー」

「え、なに」

「これで冷やしとけば、少しはマシな顔になれるかもしれないじゃないですかー」




そう言って差し出したのはアイスノン。

きょとんとしたまま香奈さんはそれを受け取って、だけどアイスノンとミーを交互に見てて。

ほら、やっぱりミー良い子でしょー?




「ミー、先に談話室行ってるんで、見れる顔になったら香奈さんも来るといいですよ」

「見れる顔って・・・」

「じゃ、失礼しまーす」



今日は任務もないし、と着替えることもなく足早に部屋を出た。

てゆーか、正直香奈さんとあんまり一緒にいたくなくって。

ほら、ミー人の泣き顔とか苦手なんですよ。

何かめんどくさそうですしー。

だからそうなる前に早々退散、ってことで。



・・・あ、カエル忘れた。

まーたセンパイに怒鳴られますー・・・。





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