フォーリンガール

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逃げろ逃げろっ!!




「冗談じゃないっ!!」




何だって、よりによってこんなところに連れてきたんだエレベーターめっ!!


と心の中でエレベーターに文句を言いつつも元に戻してくれそうなのも彼しかいないため、もう1度あの場所まで戻る。

鞄抱えながら全力疾走で走れば、エレベーターはまだそこにあった。

ぱかっ、と口を開いたまま。


勢いはそのまま飛び乗る。






「戻れっ戻れっ・・・・!!」





この際1階でも3階でも7階でもどこでもいい。

とにかくボタンを押し捲った。

ガチャガチャ、と正方形の空間に音が鳴り響く。


が、





「何で動かないのっ!!?」





エレベーターはうんともすんとも言わない。

何これっ不良品でしょっ!!

ボタン押してるのに反応しないとか、帰ったら絶対訴えてやる・・・!!

ていうか乗ったら暗殺者の根城についたってどういう作りしてんのこのエレベーター!!




ガチャガチャ。




「動けぇっ!!!!




でもやっぱり動かない。

やっばいこのままじゃ殺される。


そう思うや否や、私はエレベーターから出て大理石の廊下を駆け出した。

とにかく、どこか空いてる部屋に逃げ込んで隠れてよう。

落ち着いてから警察に電話して・・・。




「っ、携帯っ・・・!!」




そう考えて、私は鞄から携帯を取り出した。

ディスプレイを見れば、ちゃんと機能していることを知らせてくれて安心する。

電池残量もよし。

あとは110ば・・・・





「って圏外ーっ!!!?」





安心したのも束の間。

普段ならビンビンにたっているはずのそこは元気がなくって。

・・・おっと、何か誤解を招くようなこと言っちゃったな。

じゃなくってっ!!!


とにかく、ここはどうやら圏外らしい。

ということは携帯あっても写真撮るくらいしか機能使えないわけで。




「よ、よし、いざというときのために暗殺者の記録残しといて私の死体が見つかったら・・・・」



って私何縁起でもないこと考えてるんだっ!!

考えを振り払うようにぶんぶん、と首を振った。


と、ふいに見えた1つの扉。

しょうがない、とりあえずここに隠れよう。

そう思って、私は足を止めると、ゆっくりとその扉を開いた。



ギィィィ、と重たい音が響いて扉は開いていく。

中は真っ暗だった。





「・・・何でもいいやっ」




とにかく身を潜められれば。

そう思って私はその部屋に飛び込んだ。



神様仏様キリスト様ザビエル様信長様。

どうか私をお助けくださいっ!!




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