Short

□ほしいもの
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「う"ぉ"ぉい、シキ」

「ん?」

「ちょっと、聞きてぇことが・・・あるんだけどよぉ・・・」

「なーに?」

「お前、・・・その、欲しいモンとかあるかぁ?」

「・・・んー、あるよ」




もうすぐシキの誕生日。

で、柄にもなく何かプレゼントをやりたいと思ったが何も思い浮かばず。

仕方なくルッスーリアに相談してみたら、



「シキちゃんに欲しいもの聞いてみればいいじゃない」



と言われた。

う"ぉ"ぉい、そんなもんでいいのかぁ・・・?

大体こういうのって、サプライズとかでやるもんじゃ・・・


とも思ったが、それ以外にどうしようもないので試みることにした。




「な、何だぁ、言ってみろぉ」

「・・・・・・・・」

「・・・う"ぉい、聞いて・・・」

「何か企んでない?」

「はぁ!?」

「スクアーロから私の欲しいもの聞いてくるとかさ、おかしいじゃん」




やっ、やべぇぇっ!!

そりゃそうだよなぁっ、普段そんなこと聞かねぇしよぉ・・・。

・・・まぁ、別に減るモンでもねぇし、いいか。




「・・・お、お前、もうすぐ誕生日だろぉ?」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・スクアーロ、一回脳神経科行こう、うんそうしようってか今すぐ行こう」

「う"ぉ"ぉいっ!!!てめぇ人の話聞いてんのかぁっ!!?」

「うるっさいなぁ聞いてるよー、だから病院行こうって・・・」

「何でそーなるんだぁっ!!」

「いや、よくそんな鮫並の頭で人の誕生日とか覚えてられたなーと」

「んだとぉっ!!?」

「あはは冗談冗談、で、欲しいものだっけ?」

「う"ぉ・・・おぅ"」




くっそ危うく流されるとこだった。

う"ぉいそこぉ、もう流されてんじゃんとか言うなぁまだ大丈夫だぁ。


「うーん」と唸るシキが答えるのを待つ。

すると、あ、と声を上げた。




「未来の世界の猫型ロボット」

「・・・・・は?」

「え、スクアーロ知らない?」

「し、しし知ってるぞぉっ!!!」



いや、ほんとは知らねぇ。←

ただ知らないと言えば何か馬鹿にされそうな気がしたから知ったかぶった。

つーか何だよ「未来の世界の猫型ロボット」って。




「あれがあれば任務がすっごい楽になると思うんだよねぇ・・・」

「・・・お、おぅ(・・・任務が楽・・・?)」

「まず何と言ってもどこでもドア!!」

「・・・・(何だそれぇ)」

「移動時間が短縮できるしね、日本に行くのもほんの数秒もかからないし」

「・・・す、数秒・・・(んなすげぇロボットなのかっ!?)」

「他にもタケコプターだとかスモールライトだとかホンヤクコンニャクだとかー・・・」

「・・・確かに便利だなぁ・・・(わけわかんねぇぞぉっ!!)」

「そんな優秀で尚且つ日本の国民的アイドルときたら、手にしないわけにはいかないでしょー」

「ど、同感だなぁ!!(・・・アイドル・・・?ロボットじゃねぇのかぁ・・・?)」

「多分ね、一瞬で人殺しちゃう道具も持ってると思うんだ」

「う"ぉ"ぉい・・・てめぇは国民的アイドルに何させる気なんだぁ・・・」

「冗談冗談っ!!まぁそういうわけで、私が欲しいものわかったよね?」

「う"ぉ・・・おぅ」




全くわかんねぇぞぉぉぉぉっ!!!



・・・とは言えず。

とにかく今は知ってるフリだぁ。

後でルッスーリアにでも聞けば教えてくれんだろぉ。






「で、そいつはいくらするんだぁ?」

「・・・・・・・」

「・・・・?う"ぉい、聞こえてんのかぁ?」

「・・・くっ・・・あっははははっ!!!」

「な"っ・・・・!?」




何だ何だぁっ!!?

何でそんな笑われなきゃなんねぇんだっ!!


いきなり笑い出したシキを見てわけがわからず、自分が何か失態を侵したのかと今のやりとりを振り返った。

・・・いや、自然だったはずだぁ・・・。

どこもおかしいところは・・・。





「あははっ・・・スクっ・・・・まじおもしろいんだけどっ」

「あ"ぁっ!!?」

「っ無理無理、買えないよスクアーロにはっ」




・・・う"ぉ"ぉい、何か地味に傷ついたぞぉ。

どういうことだよ、俺には買えねぇって。




「あははっ、いいよ、私何も欲しいものとかないからさっ」

「その、ロボットはいいのかよぉ?」

「・・・ふふっ、うん、大丈夫、今の生活には満足してるから」

「けどよ・・・」

「そんなに何か買いたいんだったら、何でもいいよ、スクアーロが選んでくれたものなら何でも大歓迎」

「う"ぉ・・・・」

「てゆーか、・・・」




ふいにシキの手がサラ、と俺の髪に触れた。




「スクアーロがいればいいや」

「っ・・・・!!」




・・・んな言葉、不意打ちだろぉ・・・。


そう思いながら、

シキの額にキスを落とした。





(だって、)
(スクからかうの面白いからさぁ・・・)
(なっ・・・・!!?)



end.


───────────────
この後スクアーロは
未来の世界の猫型ロボットの
真実を知ります。




 

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