フォーリンガール
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ヴァリアーは表向き暗殺部隊で、実際は変質者集団だということはよーく分かった。
そして稀に出没するなっぽーはそれを上回る変質者だということもわかった。
だから、ここで会う人間(そもそも人間と呼んでいいのかも不明)には今度からは十分警戒しようと思った。
矢先のこと。
「わ、私のエレベーターにっ・・・」
何かいるっ・・・!!
唯一の脱出経路(であろう)あのエレベーターに、どういうわけか黒い物体がはまっていた。
恐る恐る近付いてみる。
・・・ま、まさかっ・・・
かの有名なジ○リ作品に出てくる崇○神もしくはカ○ナシ・・・!?
「・・・ふぅー・・・」
「っ!!」
喋ったっ!?
その距離3メートル、というとこで足を止め様子を伺う。
と、その黒い物体はようやく姿を現した。
「とりあえず、順調ですね」
「は、・・・はぁ?」
その全貌はというと。
一言で言えば小太りな青年。
髪はきっちり七三わけで服装は作業着である。
軍手をした両手に工具を持っているが・・・。
(それにしても某ピンクベストなお笑い芸人とかぶる・・・)
しかし、そこはすっかり耐性のついてしまった私。
警戒しつつも興味をひかれ声をかけようとした。
その時だ。
「ふーっ」
「ひゃぁっ!!?」
突然、すぐ耳元に風が吹いた。
ぞわっ、とした感覚に思わず変な声を上げてしまう。
そして、振り返ってみた先には
「かかかカエルっ・・・・!!」
「もっと可愛げのある声とか出せないんですかー」
「無理だしっ!!てゆーかあんたは私に何を求めてるのっ!?」
「いえ何も」
相変わらず無表情なカエルがいた。
今日は被りもの被ってないらしい。
ということはチョップすれば脳天直撃じゃないかよし頑張ろう!!←
「でー、何してたんですかー?」
「何って・・・いや、エレベーターに変な人いるから・・・」
「・・・あー、」
目線でそちらを示せば、カエルもその存在に気付いたみたいだ。
先ほど結構な大声をあげたのに、彼はこちらに気付いていない様子。
「修理してるらしいですよー」
「え、修理?エレベーターを?」
「はいー、何でもー彼ボンゴレの優秀なメカニックらしくてー」
「へぇ・・・え、てことは・・・・直ったら帰れるってことっ!?」
「・・・まぁ、そういうことなんじゃないですかー?」
ま、まじで・・・っ!!
いきなり舞い込んできた吉報に私のテンションは急上昇した。
だってまさかこんな早く帰れるなんて、・・・それどころか「帰れないかも」とすら思ってたのにっ・・・・!!
「カエルっ・・・!」
「はいー?」
「短い間だったけど、楽しかったよ・・・」
「全っ然感情こもってないんですけどー」
「それはお互い様ってことで、こうしちゃいられない荷物纏めなきゃ!!」
まだ直ったわけでもないのに、私は完全に帰宅モードに入っていた。
いやっでも帰れるのは間違いないはず!
やったー!!