鮫誕2011

□11.
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「・・・・そりゃそうか・・」

「あ"ぁ?」

「いや、やっぱり学校にもついてくるんだなぁ、と」

「当たり前だぁ」




ふん、と鼻を鳴らしてスクさんは言った。

そんなに面倒くさそうに言わないでよこっちだって面倒くさいんだからさぁ。


と、肩を落としながら通学路を歩く。

スクさんはいつも着ている隊服(?)姿ではなく、スーツ姿だった。

長い髪も何ともまぁ御上手にまとめてらっしゃる。


・・・けど、むしろ目立ってる気がするのは気のせいだろうか・・・。





「え、まさか教室まで入って・・・」

「さすがにそこまではしねぇ」

「ほっ」




まぁ大方、人目につかない場所でこっそり監視されるんだろう。

・・・うわぁ、この格好でそんなことしてるスクさん想像したらただの変態にしか見えない。




「・・・う"ぉい、てめぇ今物凄く失礼なこと考えてただろぉ?」

「え、何の事ですか?」

「う"ぉ"ぉいっ!!!」




あー叫ぶな叫ぶなっ!!

ただでさえ目立ってるんだからっ!!


と心の中で願いつつ、他人のフリをしようと試みた。

が、無理だった。




「いいかぁ、まず教室についたら窓を開けろぉ」

「はいはい」




とはいえこちらも自分の身を守ってもらっている身。

多少のことは見ないフリをしておこうと思った。



────────



ガラガラッ


言われた通りに窓を開ければ。



「・・・・で?」



当たり前のようにいつもの学校の風景があるわけで。

スクさんの姿はどこにもなかった。


まぁここから確認できるような場所にいたんじゃこっそり監視の意味もないけどさ。

と、その時だ。




「澪ーっ!!」

「わっ!!な、何っ・・・!?」

「んふふーっ・・・見ちゃったー」

「は?」

「まさかあんたにホストの彼氏がいたとは・・・」

「はぁ!?」




いきなり飛びついてきた友人に驚きつつ、その友人が放った言葉に更に驚いた。

ホストの彼氏、って何だよ。

てゆーか彼氏とかいないんですけど。

・・・あっ・・・・・




「・・・気のせい気のせい」

「いんや、私ちゃんと見たからねっ!!銀色の長髪で長身でスーツ着ててしかも外国人っ!!!」




・・・はいスクさん確定ー。

1つ呆れたようにため息をつきながら、何故か興奮気味の友人を宥めた。


どう説明すればいいかな。

まさか、監視してもらってます、とは言えないし。




「あのね、・・・えっと、道聞かれただけだから」

「うっそー」

「嘘じゃないよー」

「・・・・・・・・・なぁーんだ」




うっわ何だこのリアクション。

何で私が罪悪感感じなきゃいけないわけ!


とは思いつつも、女子とはすごいもので話題はすぐ違うものに切り替えられた。

チャイムの音が鳴り響き、教室中の生徒が急いで自分の席につく。


私は1度窓の方を振り返ってから、自分の席についた。





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