鮫誕2011

□09.
1ページ/1ページ





「ただいまー!!」

「う"ぉい、やけに元気だなぁ」

「ポジティブにいこうと思って」

「ポジティブだぁ?」

「うん、まぁ軽い修学旅行だと思って過ごそかなー、とか」




あははー、と笑えば「勝手にしろぉ」と言ってスクさんは足早に部屋の奥へと向かった。

何だよノリ悪いなぁ・・・。

・・・まさか、さっきの年齢の話で傷つけたのか・・・?

本当はもっと若いのに・・・、的な?





「ごめん、スクさん」

「あ"ぁ?」

「年齢のこと、23とか言ってごめん」

「・・・何で謝るんだぁ」

「いや、もっと若かったのかなー、と」




できるだけ申し訳なさそうな顔を浮かべつつそう言ってスクさんの様子を伺えば。

何故か顔が引きつってた。

・・・あっれー、おかしいなぁ・・・。




「・・・おい、てめぇそれ本気で言ってんのかぁ・・・?」

「え、本気だけど」

「・・・そうかぁ・・・」



と言って諦めたようにスクさんはため息をついた。

結局何なんだよー!!


とは思いつつも実際年齢とかどうでもよくって、ひとまず私は椅子に腰かける。

あ、そうだ、充電器持ってきたからコンセント借りよう。




「スクさん、コンセントどこー?」

「そこだぁ」

「おー、ありがとー」




そこ、と指さされたところを見て、私は充電器を鞄から取り出した。


・・・それにしても暇だなぁ・・・。

プラグを差し込みながら、後にいるであろうスクさんに話しかけた。




「スクさーん、」

「何だぁ」

「ひまー」

「そうかぁ」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・え、それだけ?」

「てめぇは俺に何を望んでんだぁ?」

「それもそっか、期待した私がバカだった」

「う"ぉ"いっ!!そりゃ聞き捨てなんねぇぞぉっ!!!」




何でそこ食いついたのかよくわかんなかったけど。

それにしてもスクさんっておもしろい。

いきなり怒鳴ったり、ちょっと子供っぽくなってみたり、急に優しくなったり。


・・・あ、いいこと思いついた!!




「スクさん、髪貸して」

「紙だぁ?」

「うん、髪」


(↑食い違っていることに気付いてない)



何だ急にぃ、と言いながら立ちあがったスクさん。

いやいや座っててよあなたただでさえ背高いんだから。


とか思いつつ、私はスクさんに近寄った。

そしてその銀色に手をのばす。


いいこと、というのは、まぁ所謂お人形遊びみたいなもんなんだけど。

・・・だっていい具合にスクさんの髪が長いから。





「・・・っておい、何してんだぁ」

「何って、スクさんの髪を・・・」

「そっちの髪かぁっ!!!」

「え、何だと思ってたの」





早速スクさんの髪をいじってたら何故か怒鳴られた。

てゆーか、そっちってどっちだよ。





「ほらー座って座って―」

「・・・何する気だぁ・・・」

「・・・・・知りたい?」

「う"ぉ"ぉいっ!!何だその目はぁっ!!」

「いえ、別にスクさんの髪をツインテールにしてみようなんてこれっぽっちも思っ・・・」

「思ってんだろぉっ!!!」




絶対させねぇからなぁっ!!!

と言ってスクさんはふいっ、とそっぽを向いた。


・・・まぁ確かに、スクさんが立っている以上私の手は届かない。

くっそー!!



「・・・チッ、じゃあ三つ編みでいいや」

「よくねぇっ!!!」




しかたない、とため息をつきつつスクさんの髪を一束手に取れば、やはりそれも阻止された。

スクさんケチだ。




「あーあ、折角いい暇つぶしになると思ったのにー」

「人を使って暇を潰すんじゃねぇっ!!」

「じゃあ何使えばいいのさー」

「知るかぁ!!」

「・・・・・・スクさん、恋人いる?」

「なっ・・・な、何だぁ急にぃ・・・・」

「いや、女子の暇つぶしといったらやっぱり恋バナかと思って」

「俺は女子じゃねぇっ!!」

「そんなの見ればわかるし」




まぁ女子とかそういうのは置いといて。

ちょっと気になったのは事実だし。


外国人スクさんの恋愛事情。


・・・いや、でも女性用の下着投げつけられてあんなに動揺してたくらいだし。

意外と経験少ないのかなー。



・・・まっ、私には関係ないか。






[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ