鮫誕2011

□04.
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困ったことになった。

綺麗な花には棘がある、ってまさにこのことだと思う。

あのリングが綺麗だったばっかりに私が拾っちゃうからこんなことに・・・。




「・・・・はぁぁ」

「ため息つきてぇのはこっちだぁ」

「知るか」

「う"ぉ"ぉいっ!!一々勘に障る女だなぁっ!!」

「はいはいごめんごめん」

「てめぇ今すぐ3枚に卸してやってもいいんだぞぉっ!!」

「そんな板前じゃあるまいし・・・ん?スクさん実は料理人だったの?」

「んなわけあるかぁぁっ!!!」




う"ぉいう"ぉいうるっさいんだよこの人。

明らかに私より年上なのに、なんてゆうかこう、大人げないというか落ち着きがないというか。


そんな間にも、私はどうやってここから抜け出すかを考えていた。

そもそも監視ってどこまで監視してくるんだろう。

・・・お風呂とかトイレとかも?

いやいや、それ完全に犯罪だよね。





「スクさん、」

「何だぁ!!」

「お風呂入りたい」




と言った瞬間だ。

明らかにスクさんの表情が強張った。

お、これはもしかして効果アリか・・・?




「ねーって、聞いてるー?」

「・・・チィ、着替え持ってついて来い」




何で舌打ちされなきゃいけないのかって腹が立ったけどあえてスル―した。

ひとまずはこの部屋から出られそうだ。

だけど、やっぱり風呂でも監視・・・つくっぽいなこの感じは。

・・・冗談じゃないっての。


適当に着替えを漁りつつ、私は何かいい策はないかと考えていた。

ら、神様は私を見捨てなかった。


眼帯美人さんが持ってきた紙袋の中には、スクさんの言う通り着替え類が入っていて。

もちろん、下着とかも。

しかもめっちゃ可愛いやつ。


さっきのお風呂発言で私は感づいた。

スクさんは絶対こういうの苦手だ・・・!!

そうと分かれば・・・



「スクさんっ!!」

「あ"・・・ぶっ!!?」



と、私は手に3着分くらいの下着をひっつかんで思いっきりスクさんの顔面に投げつけた。

それが予想外だったのか、スクさんは女性用の下着を頭に引っかけてる状態に・・・

・・・・って何だこの変態絵図。笑



「な、なな何しやがっ・・・!!!」

「ビンゴーっ!!!」

「う"ぉ"ぉいっ!!!」




そして予想通り、スクさんはこういうのが苦手だったみたい。

めっちゃ顔赤くして動揺してるし。


そのスキに私は足早に部屋を飛び出した。

とにかく、出口っぽい場所を探して。


どうやらスクさんは追ってこないみたい。

してやったり!!





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