*かっこいいスコールが好きな方はご注意ください




獣耳。と言えば、一般的に思い浮かぶのはたとえば猫耳。ツンっと立った耳で、毛は短く。尻尾はジタンの様な物。そして、うさ耳。どこぞのカジノ等で見かけるその格好は、水着の様な物に網タイツ、首元にチョーカー、それに天井を向いて伸びるかわいらしい耳だ。
だが。今、自分の目の前にいる獣耳を持った青年はどうだろうか?
一体何がどうなってそんな耳がついたのかはわからないが、色々と緊急事態だ。

美しい、交じりのないハニーブロンドから除く真白な耳。誰かが、ロップイヤーと言う種類だと言っていたが、堪らん。

手を伸ばして触れてみた。すると、彼は不思議な色を秘めた瞳をチロっと動かし「触るな」そう言って手をパシンっと叩き落とす。
そうしてその耳、触れた部分をチロチロと赤い舌で舐めている。毛づくろいという行為を行っているのだろう。

この可愛い生物を俺はどうすればいいですかお姉ちゃんッ!!

しかも、同部屋なんだ。同部屋なんだ!!大事なことは二度言えと言われたので二度言ってみた(心の中でだけど)。

ベッドが二つある。だが、何故か彼…クラウドは俺のベッドの方へ移動してきている。何故だ。何故だ、嬉しいけど何故だ!!落ち着こう。

今。クラウドは自分のズボンではなく、バッツのスパッツを借りている。先程背中が痛いと言うので見てみたらほわほわの可愛い、真白な尻尾が生えていたのだ。ズボンではきつくなっていたので、バッツのスパッツの後ろの部分に切れ目を入れて、そこから尻尾がのぞくようにした。ジタンのサイズでは流石に入らなかったのだが、ちょっとでかいらしいそのスッツにクラウドは少しだけ不満気だった。

少しずつウサギ化が酷くなってきたクラウドは、何かある前に部屋に戻された。
「君なら大丈夫だろう」
そう言って俺を一緒に押し込んだライト。忘れないでくれ、こう見えても俺はクラウドの恋人というポジションなんだ。

クラウドの耳に触れてみる。また、睨まれたが、今度は撫でるように優しく触れていく。するとクラウドは首を僅かに傾げた後、自ら手に耳を押し付けてきた。

「もっと撫でろ」

信じられない言葉が唇から洩れ、もういてもたってもいられなかった。
ああフリオニール。初めてお前の気持ちがわかる。
耳を撫でる指が震える。仄かに暖かく、美しい毛並みを誇るその耳。
余程気持ちがいいのか、クラウドは瞳を閉じている。やばい、本当にヤバい。

フワフワの毛並み。そっと上部、耳の付け根の部分まで指を這わせると…

「ひゃっ!」

クラウドの身体がビクリッと震え、頬が色付く。
開いた瞳は涙に濡れており、手に耳を押し付ける状態だったので、見上げる形になる。金色の睫毛がパシパシと揺れる。

「そこは、駄目だ…」

ガラガラと音を立てて自分の中のいろんな物が崩れていく。
白い自分と黒い自分が悪魔と天使になって耳元で離しかけてきた。

『迷うな。クラウドも望んでいるんだろう?』
『ライトに駄目だって言われただろう?クラウドもこんな状態望んでいない!』
『ほら、また耳を押し付けてきてる。もっと触れてほしいんだ』
『今のクラウドは本来の彼の姿ではない!止めておけ!!』

頭の中で多くの声が木霊する。

ああ…

天使の言葉を聞く
悪魔の囁きに従う

『天使の言葉』

スコールはフルフルと震えるクラウドの身体を抱きしめる。
すると少しずつクラウドは冷静さを取り戻したのか、身体の震えは止まっていった。

「…スコール?」
「ああ。何もしないさ。」

胸元に顔を摺り寄せてくるクラウドの髪を、撫でてやる。
男として色々辛いが、ここは仕方がない。
全てはこの状況が終わってからだ。そう、自分に言い聞かせた。

ゆっくりと息を吸い、吐きだす。
クラウドはスコールから離れず、ぴったりとくっついたまま。
時折耳を舐めたり、スコールの上着のファーの部分を見つめているが、他にないをすることもない。他は普段通り。静かな時間が流れていく。

ふと気付けば、クラウドはすやすやと寝息を立てていた。
ここは丁度ベッドの上。このまま眠ることも出来る。
起こさないように抱きしめて、スコールは静かに横になった。
腕の中の幼い兎。優しく耳を撫でてやればクフっと幼い声が漏れ、愛おしさに抱きしめた力を強める。

それにしても…

「辛いな」

高まる自身の熱をどう処理するべきか。
スコールはライトに怒られることを想像しながら瞳を閉じたのだった。

夢の中

幼い自分が沢山の兎に囲まれて、草原で遊んでいる夢をみた

翌朝。腕の中の人物は元の姿に戻っていた。
少し名残惜しい気もするが、これでいい。

「クラウド」
「…ぅ、うん?」

寝ぼけ眼で自分を見上げてくる年上の恋人の額にキスを落とし、スコールは不敵に笑う。

「今夜は覚悟しておけよ?」

言葉の意味がいまだわからないのか、クラウドはその言葉にキョトンっとしつつも、頷いた。


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* ** ***

しゃも様へ捧げます!
遅くなりました><
スコクラで、もふもふの耳の小話設定・愛らしいクラウドに悶々する(性的な意味で)スコール。いかがでしょうか?
えっと、他の二つと違いちょっと短いのですが、裏が…ありまして(ボソっ
す、すみません!!この度は可愛らしく素敵なリクをありがとうございました!



















R18
悪魔の囁き

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