研一妄想小説
□「トライアングル(3)」
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プールのライトが点かなくなった修理を年末ギリギリに依頼していた竜也だったが、それがまた今日になって点かなくなった、とお手伝いから知らされていたのだった。
佐々木を通してデザインから全てを任せた業者に頼んだ特別な装飾だ。
四日は研一が帰って来る日。
竜也はそれ迄に直して欲しかったのだ。
「あいつ等の、LIVEで聞いちまったじゃねえかよ!」
パーティー以来研一と会っていない竜也にとって、佐々木と新藤の声はたまらなかった。
竜也は、佐々木に先日のパーティーの仕返しされた様な気分だった。
「ふっ、あいつらしいや。」
(ブルルルル、ブルルルル)
暫くして佐々木からから携帯に電話が入った。
「竜也、今メール見たらな、仕事始めは四日かららしい。」
「佐々木お前、もういいのか?新藤。。。。」
「ああ、ここのとこ毎日だからな。短めさ。」
「わ、悪かったな、さっきは。」
「ふふふ、いいさ。この間、竜也達にはたっぷり聞かせもらったからな。」
(やっぱりだ!)
佐々木は少し小声になって、
「新藤、研一君の声で刺激されてあの時凄かったんだよ。今日もその続きさ。」
「な、、。」
「今度、竜也達と同じ部屋でしたいくらいだぜ。」
「し、しねえよ!俺にはそういう趣味はねえ。」
真剣にそう言う竜也に佐々木は、
「ハハハ、冗談だよ。解ってるって。これだからお坊ちゃまは困るよ、ハハハ。」
と、竜也を冷やかした。
「あ!それと、四日にまた業者に行かせる様に話しておくから心配するな。」
「助かるよ。出来たら四日の夕方までには終わって欲しいんだ。研一が帰って来る日だからな。」
「あれ?研一君、実家にでも帰ったのか?」
「ああ。あいつとは例のパーティー以来しばらく会ってねえんだ。」
「そうか。じゃあ、さっきのは刺激が強かったって訳だ〜。」
「っ・・・。」
「ハハハ!まあ、“会えない時間が愛育てる”って言うじゃねーか。それまでしっかり溜めておけよ?」
「何だよそれ!訳わかんね、じゃあな。」
「ああ、じゃあな。」
二人は電話を切った。
竜也は佐々木の電話を終えた後、佐々木の言った言葉を思い出した。
研一の声。。。。
『竜也さぁ・・・ん、僕を・・・ 壊して。。』
竜也の頭にそんな研一の声が何度も蘇る。
「ヤべえ。」
竜也は頭を何度も振りながら、その声を振り切ろうとした。
しかし振り切るどころか、研一のあの顔まで蘇ってしまい、竜也の身体は熱くなるいっぽうだった。