研一妄想小説


「GANTつ」
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「玄野君、ここ。」

俺は加藤の家に来た。

こいつの家こんなとこにあったっけ?

「中学の時にここに引越して来たんだ。さ、入って。」

そう言う加藤の後ろを俺はノコノコとついて行った。

「さ、入って。」

これがこいつの部屋か〜。

小学生の時の部屋とはそら〜違うわな。

俺の部屋なんか今じゃエロ雑誌とポスターしか飾ってねえんだからな。

「玄野君、ちょっと兄貴に電話して聞いてみる。」

「ああ、わりいな。」

加藤が携帯で電話を掛ける。

「あ、兄貴?俺。あのさ、お願いがあるんだけど。」

「あの岸本恵のDVD友達に貸してもいいかな?」

「うん。うん。えっ?・・・・・・・あぁ。。。」

「わかったよ。じゃあ。」

加藤は電話を切った。

「玄野君ごめん。」

「え?」

「兄貴、DVD貸し出すのは無理だって・・・。」

そりゃ手に入らないDVD全部だもんな。無理もないか〜。

俺はかなり凹んだ。

テンションが急降下だ。

「でもね、家の中で見るなら見てもいいって。」

「えっ?マジで?」

「うん。ここで見るならいいって。」

「マジかよ〜〜!加藤!!ありがとう。」

俺は思わず加藤に抱きついて喜んでしまった。

「く、玄野君・・・。」

「ひゃ〜!じゃあ早速見ようぜ?」



(あっ!!)

俺は固まった。

良く考えたら、ここで見るってことは加藤が隣にいるってことだよな?

ってことは見れてもシコれねーじゃん!

あ〜あ、やっぱりダメってことか・・・。

凹む。

またテンションガタ落ちだぜ。

「玄野君?」

「あ、加藤。やっぱいいや。俺見れねえわ。」

俺は落ち込んだ。

「玄野君、いいよ?俺わかってるから。」

「ええ?」

「これ使いたいんでしょ?いいよ。」

加藤は俺にティッシュの箱を渡した。

チョ!こいつ。。。。

そんなあっさり『はい、ここでヤっていいですよ。』なんて言うなよな。

でも、こいつも男だし解ってんじゃん?

久しぶりに会った加藤といきなり同じ部屋でシコっちゃう、ってか〜?

恵ちゃんがおかずだかんな。そんな事言ってらんねーよな。

「い、いいのかよ!」

「うん。玄野君が喜ぶならいいよ。」

「じゃ、じゃあ。ちょっと恥ずかしいけどよ、一緒に見ようぜ。」

「うん。兄貴の部屋からじゃあ持ってくる。」

そう言って加藤は部屋を出て行った。
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