研一妄想小説


「トライアングル(3)」
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「しかし、あの竜也がな〜。」

佐々木はベッドの中で新藤に話す。

「竜也さんらしいじゃないですか。なんかお似合いだったし、あの二人。」

「そうなんだよ。あんな竜也の顔、久しぶりに見た気がする。」

佐々木は体を新藤に向け、

「研一君、ストレートだったんだろう。」

と言った。

「はい、何となく私もそう感じていました。」

「なおさら可愛いって訳だ〜。」

佐々木は疲れた様なけだるい目つきを新藤に向けてそう言う。

(佐々木さんのこの目。)

新藤はこれから始まることを予期した。

「あいつ、研一君にどこか昔の自分を見てるのかも知れないな。」

佐々木がそう言うと新藤が、

「あなたは?」

と聞いた。

「えぇ?」

「貴方は私に何を見ていますか?」

佐々木は少しニヤっとした顔を見せ、

「その口調・・・、もう欲しいのか?」

始まる前の、あの妖しい空気が部屋に流れる。

「欲しいですよ。貴方もさっきから、目がそう言ってるじゃあないですか。」

佐々木が少しほくそ笑んで、

「俺達、もう休みに入ってから毎晩だぞ?」

と言った。

二人は年末年始を佐々木のマンションで過ごしているのだ。

「そんな事言って、わざと竜也さんと研一君の話しをしてることぐらい解っています。」
。」

「ははは。そうだよ。あの二人の声で刺激されたお前は美味しかったからな。」

佐々木は長い睫毛を少し下へ垂らし、新藤の唇を見ていた。

「いくら毎晩だからと言って、そんなことしなくても私はあなたが欲しい。」

新藤がトロンとした目でそう言うと、佐々木はずっと見ていた新藤の唇を激しく奪った。

激しく唇を求め合い、息を荒らだてながら二人は互いの体を愛撫し始めた。



(ブルルルル、ブルルルル)

頭の上で佐々木の携帯が鳴る。

佐々木は新藤を愛撫しながら携帯を手に取った。

(ん?竜也か。)

愛撫されて感じている新藤の顔を見ながら、佐々木はその電話に出た。

「もしもし。」

「悪いな、遅くに。」

「ああ、どうした?」

(チュ・・・)

新藤の耳にキスをし、携帯を持たない方の手で胸を弄りながら佐々木は竜也に聞いた。

「ああ、修理のことなんだけど。」

(ウゥ・・・ン)

新藤が佐々木の手によって甘い声を出す。

「あっ!もしかして今、新藤要るのか?」

「ああ、平気さ。」

「わりい、手短に言うわ。ライトの業者、仕事始めいつからかな?また点かなくなったんだ。出来たら四日迄には直して欲しいんだけど。」

(ンン・・・ ハァ〜)

「あぁ、後で確認して連絡するよ。」

「わりいな、じゃ。」

竜也は電話を切った。
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