短篇集
□拍手
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《序章》
『兄さん!!!!!兄さんーー!!!!!!!』
たった一人の家族の兄を亡くした
私の家族は誰もいなくなった…
『ねぇ、兄さん
私は、一体…どうしたらいい…?
生きる意味、ある…?』
生きる希望を亡くし、途方に暮れていた
いや、
希望なんてものは、もとからなかったのかもしれない…
行く宛てのない私は
ただ歩いて
疲れたら休んで
お腹がすいて
道端に倒れて…
“このまま死にたい…”なんて思った
『行く宛てがないんですかぁ?』
壁にもたれかかっていると、
男が話しかけてきた
私は男の問いに小さく頷いた
この男が私の運命を大きく変えたのだ…
『俺の−−“武器”になりませんかぁ?』
男はそう言って笑いながら、手を差し伸べてきた
片目は包帯で隠れていて見えない…
私はこの男について行こう…
生きる価値を見つける為に…
私は男の手をとった
これが、
私が紡ぐ物語のはじまりだった…
つづく…