短編 捧・貰
□君の特等席
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―…
時間はまだ少ししか過ぎてないのに、隼斗の側にいると随分ここにいたような不思議な感覚に陥れられる
そんな事を思いながら和んでいると、隼斗が目を覚ましたらしく「ん〜…」という声が聞こえた
『起きた?おはよう』
私が側にいることがそんなに意外だったのだろう。
隼斗は目を擦ったり、2〜3度瞬きをしたりしていた。
(まあ私は昼休み、滅多に隼斗の所には来ないからな)
でも隼斗はまだ眠いようでうとうとしている
昼休みはあと20分
『隼斗大丈夫?昼休みならまだあるし…そんなに眠いなら寝てたら?起こしてあげるよ』
肩を揺すりながら言う。
最も、もう半分夢の世界へ旅立っている隼斗に伝わったかは不明だが
「あぁ…そうする、よ…」
どうやらなんとか伝わっていたらしい。
とぎれとぎれにそう言い、言い終わると同時に頭を私の膝の上へ…
膝の上ぇ?!
『え、ちょ、隼斗?!』
これは俗に言う膝枕というやつでしょうか(汗
慌てて隼斗を起こそうとするも時既に遅し。
さっきと同じで子供のような可愛い寝顔ですやすや寝ていた
『ったく、もう…』
隼斗の頭を撫でる
『こんなサービス、隼斗にしかしないんだからね?』
私のその言葉に答えるように、隼斗は私の手を握った
君の特等席
((ゴメン、実は最初から起きてた))
END...
→あとがき