暇人、世にはばかる
□暇そうだねって言うな!
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今日は久しぶりに外に出た。
普段は家に引きこもってゲームをするかパソコンをするばかりなのだが、ゲームは全て制覇してしまったし、パソコンも最近電気代が酷いから使えない。
「お腹減ったなあ」
慣れない事はあまりしないほうがよかったらしい。
徒歩10分の所まで歩いたところで既にお腹が空いてしまった。
「死ぬ、やばい」
そして今日は日差しが強い。
目眩がしてきた。
「!」
すると幸運な事に目の前にファミレスがあった。
中からは美味しそうな匂いが漂って食欲をくすぐる。
私は迷わず店に入った。
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周りを見渡すとハンバーグやらカツ丼やらのいい匂いが私の元に集って食欲に拍車をかけた。
「うはぁ〜何にしよう」
「このチーズハンバーグがお勧めだよってミサカはミサカは見知らぬお姉さんに勧めてみる」
「まじでかー、チーズハンバーグかあ」
「このカツカレーも結構なボリュームでお買い得ってミサカはミサカはさりげなく一番のお勧めを教えてみる!」
ん?
目の前には小さい女の子
水色のワンピースにぶかぶかのカッターシャツを着ている。
「あ、そうなの?んじゃそれにしようかな」
「じゃあミサカはこの前あの人と食べたハンバーグにしようっと!」
「そりゃ良かったねー…………は?」
ミサカと名乗る少女はウエイトレスさんを呼び付けて何故か私の席で注文している。
しかもデザートまで。
「えと、ミサカ?何でここにいるの?」
「ミサカはミサカは誰かとご飯が食べたかったの!って上目遣いでお姉さんを見つめてみる!」
「…………負けたよ」
さようなら、私のお菓子代。新発売のクッキー………
「ねえねえ、お姉さんは学生じゃないの?ってミサカはミサカはずっと気になってたことを聞いてみる!」
「あー、うん。学生じゃなくてただの引きこもり少女だよ」
「へーえ、じゃあお姉さんは暇人なんだねってミサカはミサカは思った事を率直に言ってみる!」
ピク、
ミサカが言ったその言葉に思わず眉間にしわが寄ってしまった。
ダメだダメだ、怒っちゃダメだ。相手は子供だ、落ち着け私。
「お姉さん眉間にしわが寄ってるよ?大丈夫?ってミサカはミサカは心配そうに見つめてみる」
「うん、大丈夫だよ。でもミサカ、今度からはそんな事人に言っちゃダメだよ」
「うん、分かった!ってミサカはミサカは素直に言うことを聞いてみる!」
「いい子だね」
お姉さん、お姉さんって話し掛けてくるミサカはとてつもない破壊力があった。もちろんいい意味でのね。
出会った人が私で良かったなと思った。もしロリコン野郎が拾ってたら何されてたか。
「お待たせいたしました」
「来た来た来たよ!どれどれ一口…………ひゃあうまひいいい!」
「お姉さんそんなにお腹すいてたんだね、ミサカの一口あげようか?」
「いいの!?」
うん、今日ミサカに会えてよかった。私幸せ。
ハンバーグ、美味い。
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「ふう、旨かった!」
「お姉さん、これから暇?って首をかしげて聞いてみる」
「おぅ、暇だよ」
「本当?じゃあミサカと遊んで欲しいな!って期待を胸に秘めて聞いてみる!」
「いいよ」
「やったあ!」
喜んでその場を駆け巡るミサカに少し鼻血が出そうになったのは内緒の方向で。
暇そうだねって言うな!
(お姉さーん、早く早く!)
(ちょ、待っ体力が)