ひなたぼっこ

□ほんの少し進歩
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「しえみは 草や花が好きかい?」
「うんっ それと
おばあちゃんもだいすき
ずっといっしょにいるっ」
「ねぇ しえみ天空の庭って知ってるかい」
「ううん おそときらいだもん」
「神さまが世界中の植物を集めて
創ったお庭なんだたってよ?」
「ほんと? わたしいってみたい!
おばあちゃん いっしょにいこっ」
「うーん 行きたいけど
この庭はおばあちゃんの宝物だからねほってはいけないよ
しえみが大きくなったら
探しに行っといで」


「しえみ 霜が降りたから
葡萄のつる棚に布を…」
「おばあちゃん!
私 天空の庭を探しに行く!」
「お前が 外へ、
行っておいで!」
「うん!帰ってきたらつる棚に
布をかけるね」
「そんなのいいわよ」

「ただいま おばあちゃん
遅くなってごめんなさい
でもねきれいな落葉がね
おばあちゃん…?」

「おばあちゃん
パンジーの芽が出ないの
つる棚はどう直せばいい
このままじゃ 私
おばあちゃんの庭枯らしちゃう」
「この庭を守らなきゃ」
「え、」
「あたしならこの庭を守れるわ」
「今 喋ったの、あなた?」
「そうあたしはこの庭の妖精
あたしに力を貸してくれる?」
「私の力ならいくらでも貸すよっ
この庭はおばあちゃんの宝物なの
だからこの庭を守って!」
「じゃあ約束よ
一生一緒に守ろうね」







燐を追いかけ 庭に戻る雪男と若子。

『ねぇ 雪男』
「なに?」

『しえみ 歩けるようになるよね
大丈夫、だよね』

「どうしたの若子
君がそんな弱気なんて珍しい」

『なんかさ よくわかんないんだけど ゾワッてした』

「大丈夫だよ 兄さんが説得してるなら尚更
ああ見えてなんか説得力あるからさ」

『そっか なら大丈夫ね』

「そうだよ」

納得した若子の頭を撫でようとする雪男

パシッ

『触んなホクロ』

だが、腕を払われた。

「き きびしいなぁ」




「私 バカだっ
もう足が動かないよ…っ」

「こんな根っこ俺がぶった切ってやる!!」


『、どうすんの 盛り上がってるわよ』

「…、えーと 盛り上がってるところ申し訳ないけど
そんなザコあっという間に祓えますよ」

「うわぁ 雪男 若子!!いつの間に!」

『しえみの足 動くよ』
「あとは貴女の心の問題だったから」
「若子ちゃん 雪ちゃん…」


「約束をやぶる気…?」

「!」

「ゆるさない…」

「ひっ!?
き…きゃああぁ!!」

「しえみっ」

いきなりしえみの足が 根になりどこからか出て来た悪魔と一体化した

「あたし達は一生一緒…
一生この庭で生きていくのよ
きゃははははははは!!」

『最悪っ きもちわるい!』

「完全に彼女を盾にとられた、若子…」
『きもちわるいっきもちわるいっ
絶対嫌!手伝わない!!』

鳥肌が立ったのか腕を摩りながらしえみのお母さんのもとへ走り去った若子

「、兄さん 少し手を貸してくれないか」

「あい!?」

ぱあ‥っ

「ちょ うわ何!その顔!!」

「へっへっへー しょぉがねぇ弟だなぁ!
この俺が手を貸してやらんこともないっ」

そう言って降魔剣を抜く燐

「やれやれ」

「あんた同族!?」

「とりあえず兄さんは何も気にせずあいつの相手をしてくれっ」

「わかった!」

悪魔に向かう燐 悪魔の言葉は無視なようだ

「きゃははは! 切れるもんなら切ってみなさい!」

しえみが居ることをいいことにしえみを盾にして自分に危害を加えさせず攻撃を繰り出す悪魔

「くっ くそ
どーすんだよ先生!!」

「仕方がない こうなったら
彼女ごと撃つしかない」

悪魔に銃を向ける雪男

「!? は、」

「きゃは きゃははっ!!ハッタリね
あたし達だまされないわ!」

「そう思うか? そうかもしれないな
さて どっちでしょう」

「クソ偽善者どもが!!」

雪男に向かって走り出す悪魔

「撃てるワケねぇだろうが…」

だがしかし雪男は、

ドッ

悪魔としえみに向けて撃った

「ヒイ ギャアアアアア!」

ズリュ

「離れた 兄さん!!」

「てめえ!!謝っても許さねえ!」

雪男にキレながらも悪魔を切った燐

「雪男ォ!!」

「あ 雪ちゃん…」
「、よかった」

落ちてきたしえみを抱き抱えたまま肩に撃った弾を取り出す雪男

「あっれ!?」
『実弾撃つわけないでしょうが』

いつの間にか戻って来た若子 今だに腕は摩っていた





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