ひなたぼっこ

□ほんの少し進歩
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「待ってろて言われただろ‥‥、雪男」

「なに言ってるんだい兄さん 待ってるじゃないか」

「誰が覗きながら待てって言われたんだよ!!あっ おい!」

カチャ

「え、」

ドッ

『燐 行くよ』

制服に着替えて出てきた若子、もちろん上はセーターだが

「え、えええ いいのか!!い、いま雪男撃ったよな!」

『大丈夫 実弾じゃないわ』

「ああ そうか じ、じゃあいいのか?」

「よ、よくない」

撃たれた所を押さえながら言う雪男

『あ 生きてたんだ そのまましねばよかったのに』

にっこりと満面の笑みで言う若子。

「え 笑顔で言うことかよ」

『で 行くんでしょ』

「あ、 うん」

「どうやって行くんだ」

『、鍵よ鍵』

「塾に行く時兄さんも貰ったでしょ
あーゆーのだよ、でこれが 用品店の鍵
祓魔師の称号を持つ者しか持てない
鍵のひとつだよ 、じゃあ行くよ」


ガチャ

「うわっ たけええええ!!」

『風、つよっ』

「その鍵ってワープみてーだよな」

「この学園は祓魔師‥、正十字騎士團にてて重要な拠点なんだ
だから理事長の力によって中級以上の悪魔の侵入を防ぐ魔除けや結界 迷路などに守られてる
鍵はそういう罠の類に干渉されないで学園を行き来できるんだよ」

「ふーん…よくわかんねーけどやっぱあのピエロただのピエロじゃねーってことだな」

「じゃあ先に買い物してくるから
兄さんと若子は少し外で待ってて」

「俺達は入れねーのか」

『店には祓魔師以上しか入れないの』

「ふーん」

「すぐ終わるから」

そう言って用品店への階段を登る雪男、だがすぐピタと止まり

「勝手にウロチョロしない触らない!」

と言った。

「行けよ早く!!
チッ 何が、ウロチョロしない! なにマンガ読んでるの!だっ
お母さんかっつーんだよ!!
くっそーいつか 頼むよ兄さーん、とか言わせてやる!なあ若子っ」

『あたしは別に よく言われてるし』

「な、なんだと!兄貴は頼らねーくせにっあのホクロメガネ!ってどこ行くんだよ」

『どうせなら こっち居た方が早いもの』

用品店側ではない階段を登る若子

「でも雪男がウロチョロするなって」

『ウロチョロはしてないでしょ ほら行くよ』

「あ、ちょっ うおーすげーキレー、っ!」

階段を登った所には綺麗な庭があり 女の子が花を植えていた

『…あの娘ね あ燐その門には、』
「いって!?」
『言ったそばからなにしてんのバカ!』

「いやだってさ え、」

ギギギギ ガッシャ

音を立てて門が壊れた。

『ほんとにバカ どうせあの娘に見惚れてたんでしょ』

「ちちちげーよ!それに俺はお前一筋でだ、っ」

門が壊れたことに気付いた少女が二人を見つめていた

『こいつが触ったんです 門壊しました』

「お、おま おまっあ、ああ いや俺は何も…かってに、」

「あ、悪魔っ」

「え…、」
『バレたわねー』

「ち ちげーよ!」

「魔除けの門がっ 悪魔にしか反応しないのに」

「っ」
『だから言ったでしょ きちんと人の話聞かないからよ
見た目は人間でも一応悪魔なのよ反応して当たり前 面倒だから自分でなんとかしてよ』

小声で燐に言う若子

「ど どうか見逃してっ
入ってこないで」

びくつきながら後退りをする少女

「っ、お 俺は悪魔じゃねぇ!
人間でもないけど 勝手に決めつけんな!!」

そう言って庭に入る燐

「ひっ」

『怖がらせてどうするの』

「こないでーっ!!誰か!助け、きゃあっ」

脚を引きずりながら逃げる少女だったが何故かこけてしまった

「だ 大丈夫かよ」

「…!」

「お前って 足が悪いのか…」






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