☆ 夢の世界は続く 1 ☆
□―その名を呼ぶもの―
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「空座高校に向かえばいいんだな?」
「はい。そうみたいです。」
出動命令がきた際、異例の自体がおきているとだけ聞いていた。
別に異例な事などまったくない。
ただ強力な虚が、現れたというだけの意味だったのだろう。
紛らわしい・・・
もう少し奇妙な事が起きているのかと身構えていたのだが。
「でも、一護達以外に空座町にいる死神なんていないのにどうなってるんでしょうねぇ?」
「どういう事だっ!?」
あまりの驚きに、声は大きくなる。
「なんでも、一護達は今日一匹の虚にも出くわしていないそうなんです。 でも、確かに虚の反応は出ては消え、出ては消えを繰り返してます。虚って自分で霊圧をゼロにするなんてできるのかしら? それとも、他の誰かが倒してるまってるのか? さらに極めつけは一瞬、 死覇装を着た死神を見たって一護が言ってるそうで、なんかパニックになってます。」
そんな大事な事を、あっけらかんと言う松本は本当に何を考えているのか。
「それを早く言え!」
まったくコイツは・・。
やっとのことで話しの全体像がつかめてきた。
確かにそれは異例の事態だ。
虚の霊圧が消えてしまっているとなると姿を消すぐらいじゃ完全には消えないはず。
それなら、やはり誰かが倒してまわっている可能性が高い。
「日番谷隊長!」
「阿散井、早かったな。」
阿散井はすでに現世への扉で俺らを待っていた。
これで全員そろったな。
「何が起こってるんですか?」
どうやら阿散井もこの緊急出動の意味がわからない様子。
「それが、俺にも分からん。とにかく急ぐぞ!」