☆ 夢の世界は続く 1 ☆
□―騒ぎ出す血―
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でも、今感じる安心感は、時に彼といる安心感とはちょっと違う部分を見せる事もある。
私は戦う為にこの世に生を受け、自分の居場所がここにあるのだと納得する為に安心しようと必死になる時が。
いや・・・これは綺麗事ですね。
自分の中の戦いを欲する本能がゆっくりと満たされ、ただ心地ちよくなっているだけで。
それは抑えることのできない本能のせいだと自分に言い聞かせ安心した気持ちになろうとあがいている。
どちらも1人の私の正直な2つの感情。
人間とは不思議なものだ。
「龍馬、ここに結界を。敵の数が多いから近場から行くよぉ。」
「承知した。」
龍馬の瞳が青く輝き、眩い光の壁が私の周囲を取り囲む。
ここはもう現世とは切り離された別の空間。
虚の探知機にもひっかからないし、取り囲んだ中の景色も周りからは見えなくなる。
正確に言えばこの結界で覆った場所は異空間へと移動するのだ。
移動させてしまえば擬似的に作った似た空間を現世にはめ込んでしまえば、周りには影響も違和感もない。
この結界の中は、私の姿を消すにはかっこうの場所。
これで尸魂界にも、他の死神にも何も気づかれない。
「敵のお出ましよ!」
強い霊圧に結界の中の空気は振動を始める。
「あれ!?なにこれ!?」
まったくの拍子抜け・・・
ザコが3体、結界内にいるだけだった。
図体ばかりでかく動きは鈍く知能もあってないようなもの。
かなり強い霊圧を感じたように思っていたが、ただ寄せ集まっている状態だ。
「あぁ〜学校の方、先に行けばよかったぁ〜」
あちらの方がはるかに霊圧が高かった。