☆ 夢の世界は続く 1 ☆

□―見えない壁―
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そんな流暢な事言ってる場合かよ。




そいつは倒れこむように校舎の壁にもたれかかっていた。




今こうしてる内にもやられちまってんじゃねぇのか!?




何か声が聞こえた気がするんだ。




今にも消えてしまいそうな声が・・・。




「そんな事言ってる場合かよ!目の前でまだ何か起きてんだよ!ただ俺たちに見えてねぇだけなんじゃないのか?」




絶対にそうだ!




見えない何かが隠している・・・




壁があるってことか!?




それなら・・・





『月牙天衝!!!!』




「一護何をしておる!?」




「ぜってぇさっきの奴らは目の前に今もいんだよ! それを隠してる壁みたいなもんがあるんじゃねぇかと思って。 壁なら壊れるかもしれねぇ。 だからそれをぶっ壊すんだよ!!  そういえば・・・」




「なんだ?」




「結界がどうとかって聞こえたような・・・」




「結界!? そんなバカな事があるか。この場所になんの力も感じんし違和感もない。 そもそも、ここに結界が張られておるなら今のお前の攻撃が少しは跳ね返されたり、結界が壊れるはず。 それが何もおきずに、今の攻撃はただ前に通り過ぎているだけではないか。 だいたい結界というのは  」



「んな事分かんねぇけど、何にもしねぇよりマシだろっ!」




「落ち着け一護!無駄だ。ここまで現世の空間と溶け合うような綺麗な結界があるとは考えにくい。 ゆがみも霊圧もなにもない。そんな事 」




ルキアに何を言われても、俺の中では話の辻褄が全て合致したような感覚が起こる。



「いいや間違いねぇ。 結界っていうものなのかは、俺には分かんねぇけど壁があるのなら、鳴ったり止んだりする代行証、姿が消える虚。 全部、その壁がまわりから見えない空間を作っていたのなら説明がつく。 いいから、目の前に向かって攻撃しろ! ルキア! 頼む・・・手をかしてくれ。 急がなきゃ中にいる奴が死んじまうかもしれねぇ!」




何もしないなんて俺にはできない。




分かってくれルキア!



一護の真剣な眼差しは、ルキアを貫く。


そうして、一呼吸起き刀を構えた。



「さっさとやるぞ、一護!」





「フンッ。そうこなきゃな。」




俺達に出来ることは全てやっときてぇ!!



「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ 破道の三十三 蒼火墜!」
        



「月牙天衝!!!!」





2人の攻撃が何かを捉えたのか?



― パリィィィィッ ―



今度は、ガラスの割れるような音が鳴り響く。
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