☆ 夢の世界は続く 1 ☆
□―その名を呼ぶもの―
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「松本。現状はどうなっている?」
現世への緊急出動が我々十番隊2名、六番隊副隊長、阿散井の三人に命じられた。
現世への出動はめずらしいものではないが、緊急というのはそう多いものではない。
現世にはその地区担当の死神がいる為、何かおきてもそちらである程度は片付けられるからだ。
しかし、今回はどうやら強力な虚がでたらしい。
何のまえぶれもなくいつもとかわらぬ仕事をし、床につきかけた夜更けに呼び出された。
「虚の反応が出たり消えたりしているらしいんですよぉ」
眠い目をこすりながら俺の質問に答える副隊長の松本。
お前は昼から寝ていたくせに、なんというだらしない顔だ。
「出たり消えたりとはどういう事だ?」
あまりに簡単な説明しかしない部下に、詳しい説明を求め睨みつける。
慌てて松本は本部より預かった書類に目をとおした。
「初めは数箇所で虚の反応がでたらしいんです。でもすぐにそれは消えて、今は空座高校あたりで反応が途切れ途切れしているそうです。」
なんとも雑な報告に頭がついていかない。
まったく意味がわからない。
数箇所での虚の反応が消えたのは、ただ単に黒崎達が倒しただけのことだろう?
そして今もなお反応が続く地点でまだ戦闘中という事か?
しかし、反応がでたり消えたりとは数体の虚が学校に集まってきているのか。
倒しては現れの繰り返しの反応を拾っていると考えるのが妥当だ。