記念小説
□すーぱー
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俺はウソップ。
ここのスーパー、「サニー」のアルバイトをやっている!
レジ打ちは完璧!バシバシさばいていく俺の姿にお客様も大感激だ!
そんな「サニー」にも面白い…つか、変わったお客様もたくさん来るんだ。
その、変わったお客様達を…今日は少しだけ話そうと思う。
……
うげ…
俺は出しそうになった声を必死で止めた。
カートに2つのカゴ、そしてカゴの中は極限まで山盛りにされた商品。
しかも…カートは2台ならんできている。
いつも、このスーパーでは人が少なくてもレジは2つ開けておくのが通常である。
現在、レジは俺と向かい側にいるバギー。
「いらっしゃいませー!」
営業スマイル!
レジ通すのはめんどくさそうだが…
商品が多いなんて、店にしてみりゃありがたいことだ。
さあ、バギー君と共に頑張ってレジ業務を行おうじゃあないか!
さあ来い!!!!
カート1台ずつ、別々にレジに来ると思いきや…
2台とも俺のレジに横付けされた…!!
「全部会計一緒で!」
気持ち良い位にスカッと言い放ったのは、カートの影に隠れて見えなかった…この山盛り商品の購入者。
黒髪で、左目の下にある傷が印象的。暖かそうな黒いダッフルコートに、水色の半ズボン、そして草履。上下の温度差が酷いよ君、まだ季節は冬だぞ…。
「…ったく、お前はどんだけ買えば気が済むんだ」
そうそう、まったくその通りです。
…って、
黒髪君の隣、緑色の頭に左耳の3連ピアスが印象的。こちらは黒いジャケットに黒ズボン。
お友だちなのか…、俺的に第一印象は怖い・デカイ・関わりたくない…なんですけど。
しかし、隣の黒髪君は始終ニコニコ。
…なんなんだ、この二人。
文句を言うわりには、緑髪の人も笑ってるし。
緑髪と黒髪君は俺のレジの前に立つと、片手でひょいとカゴを乗っけた。
「お、お預かりいたします」
丁寧に頭を下げて、…ここはさっさと終わらせた方がいい。
バギーが、にやにや笑っているのが癪に触る。あのやろ〜っ!!!
「なぁゾロ〜、やっぱりプリンあと20個買った方が良かったぞ」
どんだけ大家族だよ!
「ルフィ、やめとけ。既にカゴに20個入ってんだから」
はいぃぃぃ!?
…黒髪はルフィ、緑髪はゾロと言うらしい。
とりあえず1陣目のカゴからせっせと商品を通すが…
先程から…このカゴには菓子しか入っていない。
ちら、と準備された他のカゴを見れば…
カゴ2→デザート類
カゴ3→ジュース類
カゴ4→酒類
と、一応分けていたらしく…それぞれがカゴ目一杯にもっさり積まれている。
「ゾロー」
「ん?」
「これと、これと…」
俺が通している菓子を見つめながら、いくつかを指差す。
…なんだ?指差したやつは俺のだからな!みたいな流れか?
「と、これと…あとこれは…やる。」
…ん?
「あとは俺が食う!」
「んなの覚えてられっか。家で分けろ、家で」
…華奢な体つきの少年なのに、その胃袋はブラックホール並なのか!?
いつもの事、と言うように応えているゾロという人にも驚いたが。
「まぁ、きっと今日はぐる眉もナミも大目に見てくれんじゃねぇか?」
はてさて、そりゃどうして?
「だよな!俺の誕生日だからな!」
にっししし、と笑う少年。あらあら、今日はこのルフィという少年の誕生日らしい。
そりゃあ、こんなに豪勢にしたって問題は無い。…ちとばかし量は問題あるが。
*