記念小説

□ドッキリ大作戦
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「ゾ〜〜〜ロ〜〜〜!!!」

「「「!!??」」」


とある午後
響く船長のおたけび


「…ん?」
叫ばれた張本人は甲板で昼寝中。
片目を開けて上を見上げると…
遥か上空に飛び上がったルフィが何か大きな塊を持って降ってくる。

「ルフィ…、何だそれは…」

「ししし!見てからのお楽しみだ!ゾロ!真っ二つに斬れ〜!」


ルフィが塊をゾロに向かって蹴り、その場を離れると、ゾロは「お安い御用だな」と刀を構える。

「ゾロ〜!!!らしょ〜もんが見たい!らしょ〜もん!」

「羅生門?んなの使わなくたって斬れる」

キキンッ

未だに空中にある塊を難なく二つに切ると、刀を懐におさめた。

「…ん?」

切った塊の端から、何かが降ってきた。
…手にとると…、小さな折り紙で


「何だこれ……っ、うわっ!?」

塊が切り口を地上に向けたのと同時に、中から大量の紙がゾロめがけて降ってきた。


バササササササッ


「あっひゃひゃひゃ!紙吹雪だ〜!!」


ルフィは腹を抱えて笑い飛ばし、影に隠れていたウソップがひょっこりと顔を出した。


「おいルフィ、やっぱり紙吹雪の量が多すぎたぞ…。俺の設計図では、あれの100分の1で良かったんだが…」

「いいぞいいぞ〜!ゾロが紙吹雪で埋まっちまったからいいんだ!ひゃひゃひゃひゃ!」


ルフィは紙吹雪をつついて、また笑い飛ばす。


「ゾロ〜!たつまきだ〜!たつまきやれ〜!」

紙吹雪の中から「見たいのか?」と声がして、ルフィが「おう!」と答える。

「分かった。下がってろ」


ウソップを引っ張ってルフィが下がると、ザワリと空気が変わる。



「…竜……巻!!!!!」


ぶわっ


紙吹雪が一斉に舞い上がってゾロの周りから消えていった。


「さすがゾロだな!」

「当然だ」


ボカッ
ボカッ

「痛でっ!?」
「痛っ!!」


「バカじゃないの!?あんた達!?」

ナミが声を張り上げてゾロとルフィを一殴り。そして船内を指差した。


「あんた達のせいで、船の中が紙吹雪だらけよ!早く掃除しなさいよ!」

「俺はたつまきしてないぞー」
「おいルフィ、お前が見たいって言って」
「ごちゃごちゃうるさい!」
ボカッボカッ

「「はい、今…やります。」」


……


「いや〜、たつまき楽しかったなぁ!」

ルフィとゾロ…それに何故かウソップも、せっせと箒を動かす。

「ルフィ、今度から技が見たかったら船以外の場所にしろ。」

「ん、分かった!でも面白かったぞ?」

「そういう問題じゃないぞルフィ!」

「おいウソップ、いいんだ。俺も面白かったから」

「ゾロも!?」


ザッザッ、と隅に挟まった紙を掃き出しながらルフィはポツリと一言。

「あ〜ぁ。今日はゾロの誕生日なのに掃き掃除かよ〜ぅ」



……。

「おいルフィ…、」
「ん?どした、ウソップ」
「それ、今日の夜まで禁句だったろ…」
「……あ、わり。口滑っちゃった」


ウソップは魂が抜けたように、口をポカンと開けた。
ゾロは、「あ、そうだったなぁ」と一言呟いてまた掃除に戻る始末。


「ルフィ…口滑っちゃった☆じゃねぇだろぉぉぉ!!!どうすんだよ!ナミに殴られんぞ!サンジがおやつ作ってくれねぇぞ!」

「うわ、そりゃ大変だ!ゾロ〜っ!」



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