ささげもの

□かきごおり
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太陽がまぶしい。
雲ひとつない、真夏の気候の下にきた麦わらの一味を乗せた船。


「こんな暑い日には、かき氷をおやつにするか。ナミすわんっロビンちゅわ〜んっ、シロップの味はいかが致しましょう〜???」

「サンジー!!!俺、肉味で!!!」

「肉味は無い!!!」



サンジが手早く氷を砕き、たっぷりシロップをかけた容器。
サンジが肉味のかわりにかけたいちごの真っ赤な色に食欲も湧いて、

「サンジぃ!!!おかわりぃ!!!」

「はいよ、あと…」


ほれ、と渡されたのはメロンシロップをかけた、かき氷の容器。
ん?とルフィが首をかしげると

「まだ取りにきてないから渡してこい」

とサンジが答えたので。


いちごの赤とメロンの緑を交互に見やったルフィは、
「おぅ!」
と満面の笑みでゾロのもとへかけていった。



………


「ぞーろー」

彼の昼寝の特等席。
俺は、その隣が特等席。

かき氷を床に置いて、ぞーろー、と耳元で呼ぶ。


…なかなか、起きない。

彼の左隣に真っ白いタオルやダンベルが置いてあった。
きっと筋トレしたあと、昼寝し始めたんだなぁ。


「ゾロ!氷溶けちゃうぞ!サンジが作ってくれたんだぞ!」


赤と緑のかき氷。
太陽をうけて、じわじわと溶けていく。
氷が水になって、鮮やかだったシロップの色をぼやかしていく。


「起きろ〜っ、ゾロ〜っ」


じわり、じわり

気がつけば、高く積もっていたはずの氷の山は崩れて半分になっていた。

「…ゾロ〜っ、」


ゆさゆさ、と体を揺さぶってみる。


…ゆさゆさ、
…ぐらぐらぐら、





「………ん?」

ゾロが片目を開けた。
途端にルフィは、ぱぁっと微笑んで


「ゾロ!かき氷、一緒に食べよっ!」
「あぁ。ふあぁぁ…、よく寝た。」

「ここになっ、ゾロの分…も…、」

「……あ、」



太陽に充分あたためられた氷は完全に水となって、小さかった容器から溢れ出していた。
赤と緑のシロップは薄まり、虚しくも以前の鮮やかさは、かけらもない。



「………」
「ルフィ、俺が起きるまで食べるの待ってたのか??」
「………」


黙ってしまったルフィの表情を盗み見して、
ゾロは薄い緑の液体が入った容器を持ち上げた。




ごく、ごく、ごく、

「………ぷはっ」


「ゾロ、飲んじゃったのかっ??」

「うまかったぞ。かき氷。」



ふ、とゾロは笑って
ルフィの頭をわしゃわしゃ撫でる。

そして、慣れた手つきで後頭部を支え、そのままルフィと唇を重ねた。

「んっ……」


ゾロの舌と交わる度、ほのかにメロンの味がする。

呼吸が荒くなってきたのを察し、ゾロはルフィを離した。


「メロン、うまいだろ?」


愛おしそうな笑顔。
それを見れるだけでも嬉しいのに、


ルフィは自分のかき氷の容器を手にとり、中の液体を飲み干す。



「ゾロ、」

いちごも、うまいんだぞ?

確かめてみる?



ゾロが笑うたび、
ゾロが撫でてくれるたび、
ゾロがキスしてくれるたび、


すぐ起きてくれなかった淋しさなんて、どこかにすっとんじゃう。





太陽も負けちゃうくらいの

甘い熱い夏の日。









鈴飾さまへm(_ _)m

暑苦しいゾロルで本当にすみませんっ(笑)
甘い…というか、ただ単に暑苦しいだけのような気がしてなりません(´◇`;)笑

ゾロは氷だろうと水だろうと同じだろう、とか思っちゃってる人なのでは、と感じる羽澤です(笑)


ではでは、
キリリクありがとうございましたっ(人´∀`)♪
 

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