白と黒

□白と黒 B
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ごめんなさい、神様
…ごめんなさい。


☆白と黒☆
3、翼を無くした天使


天使を好きになった。
白い羽根に、漆黒の髪と瞳の少年。
実習生と言っていたから、まだ天使になって間もないのだろう。

そんな男を、俺は好きになった。
そして、触れてしまった。


「しししっ!なぁ、ゾロ」
「なんだ?」
「ゾロの手って、ごついのに優しいよなぁ」

「誉めてんのか、それ」
「おう!バッチリ誉めてんぞ!」
「ありがとうございます。天使さん」
「どういたしまして、悪魔さん」


こうして、ふざけあって…笑い合って。
いつまでも、こうしていられたら…
そんな甘えが、知らず知らずに未来を黒く染めていくことにも気がつかずに。


……

「なぁ、毬藻悪魔君。教えてやろうか?黒に白を混ぜても…すぐには色が変わらないだろ?でも、」

いつものように机に座ったサンジが、真っ白な紙に、筆で点を描く。

「白に黒が交わると、それはすぐ表れる。…だから、白の方が…天使の方が弱いんだ。俺達より…」


「…だから何だ」
「あんまりあいつらに干渉すんなよ?そんな事もあるんじゃねぇかって思っちまってさ、ほれ…肩の白い羽根とか」


コツコツ、とペンでゾロの肩を叩き羽根を落とす。真っ白な羽根が舞い落ちた。

返答をする気もなく、いつも通りの手続きをしていると、そのペンで頭をコツンと叩かれる。


「…返事無しか?図星?」
「…事務は事務らしく黙ってろ」
「あ〜ぁ。やっちまったね。悪魔が恋する天使ちゃんか。どんな可愛いやつなんだか。…って、おい」

ずい、と机から身を乗り出してサンジはゾロの正面にペンを構えた。

「そいつに、ほんの1秒でも触ったらアウトだぞ。天使のことはよく知らねぇが、話によると…汚された天使は…羽根が全部抜けてしまうらしい」
「……」
「その可愛い子ちゃんの周り、よく羽根が浮いてるなら…危ねぇぞ。」


……まさか。

サンジの忠告を無視して、外へ飛び立つ。
今日はD地区。
昨日だって、一昨日だって
元気だった。いつも通り…笑っていた。

でも、その周りに
確かに白い羽根が舞っていた。


『白い羽根っていいな』
『やっぱ、そう思うよなぁっ!』
『でも…こんなに抜けてて…大丈夫か?』


『すぐ新しいのが生えてくるさ、へーきへーき!』
『…そっか』




「まさか…な、」


D地区に降り立つと、白い服に身を包んで羽根をはばたかせている天使がいた。
ほら、今日だって…

「ル…」

そう言いかけ、振り向いた天使に驚く。
振り返ったのは…少女だった。




*
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